【ツベルクリンwalker】は、様々な観光地を添乗員である私ツベルクリンが徹底的にガイドしていくシリーズ記事です。今回は福岡県久留米市にある「成田山久留米分院」をご紹介していきます。
前回の記事はこちら
旅行作家に宮田珠己(みやたたまき)という作家がいます。カテゴリーとしては私と同じアウトロー紀行文を書く作家なのですが、その人の著書に『晴れた日は大仏を見に…』という作品があります。
この著書は、日本中のクソでかい巨大仏を見に行くだけという、まさにアウトローな紀行文です。大仏というと例えば鎌倉の大仏(高さ11mくらい)とか奈良の大仏(高さ14mくらい)が有名ですが、普通は高さ15mくらいなのです。ここでいう巨大仏とは、宮田氏の言葉を借りるならば「ウルトラマン(高さ40m)より高い大仏」という訳の分からない基準によって定義されています。
高さ40m以上もあれば当然大仏が設置してあるお寺の外からでも見ることが出来るっていうか、もはや街中の景観に嫌でも入ってきます。
出典:【東北異景】仙台を見下ろす巨大仏「仙台大観音」│TOHOKU360
写真は宮城県の仙台大観音です。高さ100mあります。見た感じ合成っぽいですが、ってか合成であって欲しい感さえありますが現実なのです。ここまでデカいとありがたいっていうよりは、罰当たりな気がしてきます。
宮田氏の著書では、日本各地の16体をご紹介しています。当ブログでもこのアウトローな建造物をご紹介したいなと思っていました。そして、その16体の中でも今回は福岡県の成田山久留米分院にある「久留米大観音(高さ62m)」を見てきたのでご紹介していきましょう。
<目次>
成田山久留米分院の概要
千葉県の成田市に「成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)」というお寺があります。初詣参拝者ランキングは東京の明治神宮に次いで第2位です。
その成田山はめっちゃ大きいお寺ですので、各地域に支店みたいな分院を持っています。その1つが福岡県久留米市にある「成田山久留米分院」です。1958年に成田山の仏様を分霊してきて建立されました。
成田山久留米分院のアクセス
その名の通り、成田山久留米分院は福岡県久留米市にあります。自家用車で行く場合は、九州自動車道の広川インターで降りて10分ほどで着きます。
高速道路のインターから10分ってことはつまり、高速道路から大観音が見えちゃうってことです。この広川インター付近を通行していると突如としてこの大観音が現れます。めっちゃビビります。
成田山久留米分院をお参りしよう
無料の駐車場が整備されています。休日だというのにこのガラガラ感。行楽シーズンはやっぱりこういう誰もいないアウトローな場所に行くべきです。
訪問したのは8月なのですが、このクソ暑い時期に階段を登らせるとか、観音さまのくせに慈愛の心0です(*'ω'*)
よっぽど信者さんのお布施が熱心なのか、階段が大理石でできています。雨の日クソ滑りやすくなりますが、信仰心が厚ければ決して転ばないのです。
御本堂です。そして、目の前の御本堂がよりも後方の大観音がデカすぎて距離感がつかめず思考回路がバクります。
お参りしているのが私を含めて2~3組しかいませんので、お守り授与所もフリーランス状態です。
ハローキティー風車が販売していました。最初は、どの方面の需要に対応しているのか意味不明でしたが、よくよく調べると水子供養のお供えの物らしいことが分かりました。
「水子(みずこ)」とは、中絶や流産などにより生まれてくることが出来なかった赤ちゃんのことを指します。その供養を行うことを水子供養と呼ぶのです。写真のように、お地蔵さんに風車をお供えしている風景が日本各地で見られます。この成田山では、1年間1万円で水子供養をしてくれます。
あまり大きな声では言えませんが、この水子供養って結構アウトローな供養でそもそも歴史は浅く1970年代から始まったものです。ですから、仏教的側面よりお寺側のビジネス的側面が強いのです。
しかしながら、ハローキティーも水子供養の責任まで背負わされているなんて罪な女です(´・ω・`)
成田山久留米分院の境内図です。左側の青枠ゾーンに久留米大観音と仏舎利塔が存在します。もちろん、有料ゾーンに入らなくても久留米大観音は見えちゃうっていうか視界に入ってくるんですが、ここはブログのため、入りましょう。拝観料は1人500円です。
福の神がいました。何をしてくれる神様なのか、めっちゃ分かりやすい神様です。
読者の方の代わりに平和の鐘を突きまくって来たので、世界は平和です。どうぞご安心ください。
平和大仏塔極楽殿です。仏教の開祖であるお釈迦様が誕生なさったインドのブッタガヤにある大菩提寺を模して造られたものです。
ブッタガヤの大菩提寺は、仏教の開祖お釈迦様が悟りを開いた場所であり、まさに仏教の聖地です。オタクでいう秋葉原であり、オカマでいう新宿二丁目です。本家の大菩提寺は高さ52mです。一方の成田山久留米分院にある極楽殿は38mです。本家には遠慮しました感溢れる数字です。
当ブログでは、『案内板写メってアップするから勝手に読んどけや(*^-^*)』というハートフル溢れるブログを心がけております。
「仏舎利(ぶっしゃり)」とは、お釈迦様の遺灰や遺髪のことであり、「仏舎利塔(ぶっしゃりとう)」とはその遺灰や遺髪を祀ってある塔のことをいいます。この成田山久留米分院の極楽殿は、いわゆる仏舎利塔です。
『えっ、ここにお釈迦様の遺灰がお祀りされてあるの?』と思われたかもしれませんが、日本だけでも色んな所にこの"仏舎利塔"って存在します。もちろん、そんなに遺灰が存在するわけありません。言ったもん勝ちです(*'ω'*)
中は撮影禁止です。何があるかと言うと、お釈迦様の一生が絵画に描かれています。もちろん、私は中に入りましたが内容は一切覚えていません。つまりは、そういうことです。中には冷房といった文明の利器はありません。覚えているのは『くそ暑いわ』という感情だけです。信仰心が厚ければ、きっと中に入っても涼しいはずです。
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さて、いよいよ本題の久留米大観音です。正式名称は「救世慈母大観音(ぐぜじぼだいかんのん)」といいます。つまりはお母さんです。名前からしてもう悩み無用感で満ち溢れます。
抱っこしているのは赤ちゃんですが、赤ちゃん自体が身長13mあります。大型バスを抱っこしているのと同じです。この観音さまは、蓮(はす)の花の上に乗っかってます。仏教世界で蓮は、極楽に咲いている花とされています。日本の花と言えば桜を指すように、極楽の花と言えば蓮なのです。
観音さまの中へ入れるのです。これで私も救われますわ!!
羅漢さん達です。羅漢(らかん)とは、悟りを得た僧のことを言います。日本各地には五百羅漢(ごひゃくらかん)といって、お釈迦様の弟子の羅漢さんたちが500人集まって会議をしている様子を表した像を展示しているお寺が各地にあります。ここにもありました。
この人たちは会議中のはずなのですが、とても会議をしているとは思えない表情です。
この人も会議に参加しているんですが、何を悩んでいるのでしょうか?とても悟りを開いた無欲な人とは思えません。
この人も会議参加中ですが、読書中です。
観音さまの入り口です。中の絵画は撮影禁止です。お釈迦さまが人々に教えを説いている場面を表現していたように記憶していますが、記憶にあるのは『クソ暑い(*‘∀‘)』ってことだけです。
高さ62mですが、エレベーターはありません。階段のみです。そして、冷房もありません。あるのは、観音さまの慈悲深い心のみです。
下から上を見上げて撮影しました。今からこれを登れってことです。
らせん階段が続きます。
全く窓がありませんから、自分がどれくらい登ったのか分かりません。そのために、自分の位置を教えてくれています。現在、「ひざ部分」らしいです。ひざ部分ってどの辺なのかは各自調べてください。
登っていると非常にアウトローな落書きを見つけました。こんな落書きなんかすると慈母観音されますのでお気を付けください。
頂上に着きました。何もありません。
観音像という性質上、あまり窓を大きく出来ませんので、この程度が限界です。日本各地には、巨大仏が建立されていますが、どの巨大物に上がっても景色は堪能できません。てっぺんまで上がっても、ただ目に見えない功徳が積み重なっていくだけです。
特に収穫も無いまま観音体内探検は終わりました。しかし、そのまま出口に出られるわけではなく、地下通路を通って「地獄館」なるアバンギャルドな施設へ誘導されます。
地獄館です。ジオラマで地獄の様子を再現しています。残念ながら、中は撮影禁止です。鬼さんたちが人間さんを切断している様子など非常にハートフルな地獄の様子を再現しています。
普通に考えると、行ったことも無い地獄の様子が何で分かるんだって思われるかもしれませんが、そんなこと言っちゃうと慈母観音されますので黙っておきましょう。
入り口の彫刻からしてすでにハートフルです。
この他にも、大理石で造った人形コーナーなどありましたが30秒ほどで見終わりましたので、ぜひお越しいただき地獄館と共に自分の目で確かめてください。
見れば見るほどアウトロー感が漂ってきます。皆様もぜひお越しください(*‘∀‘)
終わりに‥
当ブログの【ツベルクリンwalker】では、比較的メジャーな観光地を取り上げてきましたが、今後は少しずつ『そんなとこ行くのお前しかいねぇだろ(*'ω'*)』的なアウトローな観光地を取り上げていきたいなと思います。
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