日常にツベルクリン注射を‥

現役の添乗員、そしてなおかつ社会科の教員免許を所持している自分が、旅行ネタおよび旅行中に使える(もしくは使えない)社会科ネタをお届けするブログです♪

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元教師の視点から東須磨小学校の教員いじめ事件を解説する記事

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私ツベルクリンは、現役添乗員ですが教員免許(中学校社会科)の保有者であり、実際に教育現場で働いていました。その私が最近気になる事件が起きました。兵庫県の神戸市立東須磨小学校で起きた教員同士によるいじめ事件です。

 

 

これまで、教員の不祥事はセクハラ問題や飲酒運転などその例を挙げたらキリがありません。が、しかし教員同士のいじめ問題はこれまで大きく取り上げられることはありませんでした。

 

『いじめを無くしていくべき立場の先生がいじめをやっていたなんて』と衝撃や憤りを覚えた方も多いと思います。私もさっさと加害者の屑教師どもを懲戒免職にしろよ(*'ω'*)って思うのです。と同時に、これは氷山の一角であり、このケースはどこの教育現場でも起こりうる問題だと思います。

 

今回は、元教師という立場からこの事件を解説していきます。

 

<目次>

 

 

 

東須磨小学校教員いじめ事件の概要

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事件の概要は、神戸市立東須磨小学校に勤務する20代の男性教諭が、同小学校に勤務する30~40代の教諭(男女4名)から暴言や暴行などのいじめ行為を受けていた、というものです。

 

この集団いじめは、2018年4月ころ~2019年6月ころまで、継続的に集団でイジメていたらしいです。2019年9月上旬にいじめを受けていた男性教員の家族が市教育委員会に連絡したことで発覚。男性教員は9月から精神的苦痛で休んでいるということです。

 

いじめの内容ですが、分かっている行為としては

 

「ボケ」「カス」「ポンちゃん(ポンコツの意味)」などの暴言
・羽交い締めにして激辛カレーを無理やり食べさせる
・LINEで女性教員にわいせつなメッセージを送るよう強要
・男性教員の車の上に乗って蹴る
・男性教員の車の中でわざと飲み物をこぼす
・飲み会などの送迎の強要
・コピー用紙の芯で尻などを殴り負傷させる
・足などを踏みつたり体を叩く

 

などが挙げられ、嫌がらせというより暴行事件です。
 

東須磨小学校の仁王美貴校長は、被害者の男性教員の家族が市教育委員会に連絡する前からいじめを把握しており、市教育委員会には『その問題は解決した』などと報告していたということです。本当に問題は解決したと思い込んでいたのか、それとも隠ぺいしようとしたのかは不明ですが、どちらにせよ問題です。

 

加害者側の4人に対する処分はまだ決まっていません。現在は有給休暇を取らせている(自宅謹慎)とのことです。

 

 

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落ち着いた学校ほど教師間の関係性は良くない傾向が見られる

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教育業界にありがちな事象として"落ち着いた学校ほど教師間の関係性は良くない"という事実があります。

 

生徒が荒れている学校は生徒指導が山積みで教師間でいがみ合っている暇は無いのです。荒れている学校は、教師間の横のつながりが非常に強く(ってか強くないとヤンチャな生徒に立ち向かえない)、ある意味では団結力のある組織になっていくのです。

 

これは、一般的な組織でも言えることで、抱えている問題や困難が多いほど、組織の結束力は高まっていくと考えられます。

 

私は地元民ではありませんので、あくまで推測ですが、今回いじめ事件の起きた東須磨小学校は"荒れていない"学校だったのでは、と思っています。

 

これは、地域性も関係しているのですが、学校がある神戸市須磨区というのは、割と富裕層が多いエリアと考えられます。問題がある家庭は一般的な小学校よりも少ないと思われるので、東須磨小学校は比較的落ち着いた学校だと考えられます。

 

そのような、ある意味環境が恵まれた小学校だからこそ、このような事件の起きる土壌があったのではないでしょうか?

 

 

 

中学高校と小学校の比較

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これも、個人的な見解で恐縮ですが、このような教師間のいじめ事件が起きやすいのは、中学高校よりも小学校だと考えます。これは、小学校の教育システムが、担任が自分のクラスの全ての授業を教えるようになっているからです。これを「全教科担任制」と呼んでいます。

 

小学校は基本的に、自分が担任するクラスの授業は全て自分が教えます。他教師が介入する余地はありません。もちろん、学年で動くイベント(運動会や学芸会など)もありますが、普段は自分1人だけでそのクラスの教育が完結するのです。

 

何が言いたいのかというと、そういう教育システムだと教師間の連携が取りにくい(取らなくてよい)問題があるのです。最近は家庭科などの一部の授業を他教師が行ったり、T.T(ティーム・ティーチング:1授業に2人以上の教師が入る体制)が増えてはいますが、まだまだ全教科担任制が強いです。

 

一方で、中学高校では教科ごとに教師が変わります。その教育システムだと、1クラスを1人だけで教えるわけではないので、教師間が連携を取る必要があります。そうなると、教師間の関係は強くなる傾向になります。もちろん、中学高校で教師間いじめが発生しないとは言い切れませんが、小学校の教育現場の方が、いじめ問題が起きたり問題を抱えて"孤立"する教師が出やすいのです。

 

 

 

児童もいじめに気付いている

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今回の事件では、あろうことか主犯格の教諭が自分の受け持つクラスの児童にいじめの内容を話して(笑い話として)いたようなのです。つまり、20代男性教諭に対して行っていた嫌がらせは、笑い話で済むような問題だと思っていたというわけです。

 

ということは、教え子はいじめの事実を知っていた、ということになるのですが、おそらく主犯格の教諭が話さなかったとしても、児童は教師間にいじめがあることに気付いていたと思います。

 

子どもって大人のことをすごく見ています。大人からしたら『子どもに分かるわけない』って思いますが、意外と見透かされています。『先生たちはいじめはダメって言ってたのに、いじめてるじゃん』って思われたら、あっという間に教師と子どもの信頼関係は揺らぎ始めます。言っていることとやっていることが違う教師を子供は嫌います。教師は常に子供の見本であるべきです。

 

今回の事件で一番ショックなのが、『先生たちもいじめをするのなら、私たちがいじめをするのも許される』と子どもたちに思われてしまったであろうということです。恐らく、東須磨小学校でも真面目にいじめ問題に取り組んでいた先生たちもいたはずです。その努力が無駄になってしまうのです。

 

 

 

理由はどうであれさっさと懲戒免職にすべき

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子ども同士のいじめ問題に関して言えば、加害者側も問題を抱えた子どもである場合もあるので、ある程度のケアは必要でしょう。しかし、今回のケースは大人ですから加害者側の言い分など聞く必要はありません。

 

過去の教員の不祥事で言えば、例えば児童生徒に対するわいせつ行為事件が起これば基本的には懲戒免職という処分が下されます。わいせつ行為は懲戒免職で、暴言暴行行為が懲戒免職にならない理由はよく分かりません。問答無用、さっさと加害者4人を懲戒免職にすべきです。

 

 

 

今回の事件は氷山の一角にすぎない

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今回の事件は、かなり問題になりましたが、教師間のいじめって日本全国いたるところの教育現場で発生していると考えられます。東須磨小学校だけの問題だとは到底考えられません。

 

児童や生徒間のいじめに関しては、各学校ともに"いじめ対策マニュアル"のようなものが作成されていると思います(東須磨小学校でも作成されていた)。ただ、教師間のいじめやパワハラ問題の対策って今までほとんど考えられていなかったのではないでしょうか?『学校の先生がいじめやパワハラなんてするわけがない』という空気があったのでしょう(もちろん、そうであって欲しいのですが‥)。

 

もし、読者の方で保護者の方がいらっしゃったら授業参観の時に、教室だけでなく職員室の様子も見てみてください(個人情報の問題があるので中には入れないでしょうが‥)。保護者も目を光らせているんだよ!と学校側にアピールするのも1つの手です。

 

 

終わりに‥

こうやってまた教員に対する不信感が高まっていくんですよね。真面目にやってる教員からしたらたまったもんじゃありません。保護者の方は、そういう真面目で子ども想いの先生の背中を押してあげてくださいね。

 

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