日常にツベルクリン注射を‥

現役の添乗員、そしてなおかつ社会科の教員免許を所持している自分が、旅行ネタおよび旅行中に使える(もしくは使えない)社会科ネタをお届けするブログです♪

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【ざつだん!】障害を持つ子を特別支援学校・学級に入れさせたがらない親への違和感

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【ざつだん!】シリーズは、私ツベルクリンが日々考えていることを垂れ流していく日常系記事シリーズです。今回のテーマは、「障害を持つ子を特別支援学校・学級に入れさせたがらない親への違和感」についてです。

  

 

去年(2019年)、こういう記事が掲載されました。

「高校で学び保障できぬ」 沖縄県、重度知的障がい者の入学拒む 大阪府は受け入れ | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

 

記事中の文章を引用します

 

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重度知的障がいがあり、来春3度目の沖縄県の県立高校受験に臨む仲村伊織さん(16)=北中城村=に対し、県教育庁は3日までに「高校では重度知的障がいの生徒の特性に応じた教育課程を提供できない」と受け入れを拒む見解を示した。

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関連記事もありました

Qプラスリポート「普通の高校へ行きたい」 知的障害児の進学を考える – QAB NEWS Headline

記事中の文章を引用します

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伊織くんには重度の知的障害と自閉症がありますが、地域の同級生たちに囲まれて小中学校を普通学校で過ごしました。

(中略)

去年、伊織くんと両親は県立の普通高校へ学校推薦での進学を希望します。しかし、県の推薦基準に障害のある子の基準がなかったことから、一般入試を受験。文字の読み書きができない伊織くんは一次、二次ともに不合格となりました。

 

そのため、両親は他府県で取り入れられている障害者独自の評価方法を沖縄県でも取り入れてほしいと、県に対し、あっせんの申し立てをし、県議会へも陳情をしたのです。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

私は現役添乗員であり、なおかつ元中学校の教師です。教育関連の知識は、ある程度はあると思っています。そんな私が、このニュースを目にした時、非常に強烈な"違和感"を感じました。

 

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よくありがちなニュースとして、特別支援学校や学級に通うべき重度の障害を持つ子の親が『この子は"普通の学校"に通わせてあげたい』と教育委員会に訴える、みたいな話があります。メディアはその光景を"美談"みたいに報じます。

 

この光景に対し、私が抱く感情は『えっ?特別支援学校や特別支援学級って"普通の学校・学級"じゃないの?』というものです。

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まずは、話を整理するために「特別支援学校」「特別支援学級」の違いを明確にしておきましょう。

 

〇特別支援学校

特別支援学校とは、心身に障害を持っていたり、大きな病気を患う児童生徒が通う学校のことです。幼稚部、小学部、中学部、高等部があり、それぞれに準じた教育を受けながら、生活上の自立を図るための知識や能力を身につけることを目的としています。

 

〇特別支援学級

障害のある児童生徒のために、通常の小学校や中学校内に置かれる学級のことです。通常学級での学習指導が難しい児童生徒を対象に、少人数制のクラスで授業を行い、一人一人に合わせた適切な学習を行うことを目的としています。

 

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支援学校は、学校そのものが障害児教育に対応しており、専門知識を持つ教員(特別支援教諭の免許を持つ)が配属されます。支援学校はお金の計算や文字の読み書きなど、自立していく上で必要な知識の取得に特化しており、学力の向上はそれほど目標としていません。

 

対して支援学級は、お金の計算や文字の読み書き等には、さほど問題ない児童や生徒が通常クラスの児童や生徒と交流しながら勉強していく、というスタイルです。学力の向上も目標に入っており、その子の学力次第では、普通科の高校進学も視野に入って来ます。

 

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障害を持った児童や生徒が、どちらに進学するかは本人や家族の希望とともに、各地域の教育委員会が判断を下します。『特別支援学校への入学を勧められたが、支援学級の方へ入学したい』と教育委員会へ申し立てすることも可能ではあります。

 

おそらく、上のニュースの生徒の両親は『特別支援学校?特別支援学級?そんな学校へ息子を行かせたくない。"普通の学校"に通わせたい』と教育委員会へ訴えたのでしょう(事実、その生徒は小中学校は普通の公立学校へ入学しているよう)。

 

 

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私は、某中学校で社会科を教えていました。その学校にはいわゆる"通常クラス"が各学年2クラス、そして特別支援学級が1クラス、各学年に設置してありました。私は、通常クラスと特別支援学級、両方授業をしました。それどころか、サポート役として支援学級の美術や体育といった専門外の教科も指導しました。

 

そんな私が思うのは、『特別支援学校とか学級って、"普通の学校・学級"だからね(´・ω・`)』ってことです。その証拠に、私が"通常学級"と"特別支援学級"の社会科の授業で使用した教材って一緒だからね(もちろん、授業の進行スピードは違いますけど)。

 

そもそも、"普通の学校"と"特別支援学校・学級"って、どちらも公立なら授業料は無料だし(中学校までは)、かかる経費もほとんど変わりません。よっぽど、授業料のかかる私立小学校とかの方が特別な学校に思えます。

 

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出典:https://www.okinawatimes.co.jp/

先ほど引用したニュースの生徒さんは、読み書きが出来ないようです。単純に考えると、特別支援学校相当の生徒さんだと思われます。その状態で『普通高校へ行きたい』と入試を受けても落ちるのは、ある意味当然です。しかも、今春に3度目の受験に挑戦するようです。

 

この生徒さんは過去2回、高校受験に失敗しているようです。ということはすでに、10代の2~3年間を失ったようなものです。もし、仮にこの生徒さんの両親が"普通の"特別支援学校や学級に入学させ、"普通"の特別支援学校高等部を受験させていたのならば、このように学校に行っていない状態が2年以上続くことは無かったでしょう。

 

 

 

『普通の学校に通わせたい』‥一見高尚な思想に思えますが、私からしたら、「特別支援学校・学級は、普通の学校ではない」という偏見が根底にあるとしか思えないのです。

 

教育関係に関しては、こちらの記事も合わせてご覧ください

www.tuberculin.net

 

 

 

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