日常にツベルクリン注射を‥

現役の添乗員、そしてなおかつ社会科の教員免許を所持している自分が、旅行ネタおよび旅行中に使える(もしくは使えない)社会科ネタをお届けするブログです♪

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【ざつだん!】小学校の飼育小屋にいるウサギの末路について

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【ざつだん!】シリーズは、私ツベルクリンが日々考えていることを垂れ流していく日常系記事シリーズです。今回のテーマは、「小学校にいる飼育小屋のウサギの末路について」についてお話していきます。 

 

 

 

以前の記事で私がウサギ飼いだとお話ししていました。

www.tuberculin.net

 

ペットとしてウサギを飼うことに関しては、人気が高まりつつありますが、いまだにワンちゃんや猫ちゃんにかないません。しかしながら、特にアラサー以上の世代にとってウサギとは、"ニワトリと一緒に小学校にいた動物"という認識があるのではないでしょうか?

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出典:https://www.edu.city.yokohama.jp/

飼育委員会みたいな係りの子が、ウサギの世話をしていたように記憶しています。

 

飼育小屋にいるウサギは、日本白色種(にほんはくしょくしゅ)という品種が多く、いわゆる"白うさぎ"です。

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小学校での動物飼育は、文部科学省から出される学習指導要領(児童を指導するマニュアルみたいなもの)において、次のように書かれています。

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

動物を飼ったり植物を育てたりする活動を通して,それらの育つ場所,変化や成長の様子に関心をもって働きかけることができ,それらは生命をもっていることや成長していることに気付くとともに,生き物への親しみをもち,大切にしようとする。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

引用:小学校学習指導要領 第5節生活科より

 

じゃあ、なんでウサギを飼うのかと言えば、ウサギには以下の特徴があるからです

①噛まない

②吠えない

③昼間寝てる

 

ワンちゃんや猫ちゃんは、噛まれる恐れがあります。小学生が怪我をしてしまう可能性があるのです。それに、授業中に吠えまくっていたら学習の邪魔になります。それらを踏まえると、ウサギは小学校で飼育する動物として"都合がいい"となるわけです。

 

 

 

 

 

では、都合がいいとして小学校で飼育されているウサギの現実を皆さまにご紹介しましょう。

 

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出典:https://www.sankei.com/

去勢していないメスとオスのウサギを一緒の小屋で飼育した結果、許容量を大幅に超える数になってしまった飼育小屋。

 

 

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出典:https://ameblo.jp/oyatuda3ji/entry-11521119426.html

ウサギの飲み水。ゴミが浮いています。

 

 

 

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出典:https://maidonanews.jp/

土まみれになった野菜。

 

 

 

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出典:https://twitter.com/amitousagi/status/1022735613353549827

狭すぎる飼育スペース。下部分は糞尿で汚れています。

 

 

 

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出典:https://twitter.com/amitousagi/status/1022735613353549827

糞尿で自分のお尻が汚れてしまっているウサギ。

 

もちろん、きちんと飼育してらっしゃる小学校もあるでしょう。ですが、中には虐待しているといっても過言ではない状況下で飼育っていうか放置されている飼育小屋もたくさんあります。

 

こういう状況では、寿命を迎えられず衰弱死してしまうウサギが後を絶ちません。さらにひどい状況下だと、『この環境では子どもは生きられない』と察した親ウサギによって子ウサギが殺される事象もあると言われています。

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出典:https://jammin.co.jp/

こういう劣悪な環境になってしまうのには、いくつか要因が考えられます。

 

①ウサギの飼育に教育委員会からの予算が付かない

文部科学省が動物飼育を促しているくせに、そのための飼育費は付かないのです。各小学校の自腹なのです。掃除やお世話は、小学生に"押し付ける"としても、エサはどうするのかって話です。中には、給食の残飯をそのまま与えている小学校もあります。

 

②土日に面倒を見る人がいない

平日は小学生や教師が学校にいますから曲がりなりにも面倒は見れますが、誰もいない土日は基本放置です。誰がエサをやるのでしょうか?誰が水替えをするのでしょうか?

 

③教師自身が動物飼育の知識が無い

ウサギのお世話をする小学生を指導すべき教師が、実は動物飼育に関する知識を持っていないことが非常に多いです。教師を養成する大学の教育学部でも、動物飼育に関する授業などほとんどありません。

 

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出典:https://jammin.co.jp/

皆さんが小学生の頃も、飼育小屋でウサギが飼育されていたと思います。そのころの記憶から、『うさぎって野ざらし状態で放置でも大丈夫』と思われているフシがあります(教師さえもそう思っている)。

 

実際のウサギは、暑さにも寒さにも弱い動物です。また、身体が濡れることも嫌がります。飼育小屋って基本的に野ざらしだと思うので、台風なんか来た日には、ウサギにとっては相当のストレスだと思います。

 

そのような状況下で衰弱してしまったウサギを保護する団体があります。

一般社団法人LIBERTY(リバティ)大阪や関西を中心にうさぎSUMMITを開催、うさぎの保護、里親募集をしています。 – 一般社団法人LIBERTY(リバティ)はうさぎSUMMITの活動・開催を通じて小さな命とその命のためにがんばっている人たちを応援しています。

 

ここには、学校で飼育できなくなったウサギも保護しているようです。

 

 

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出典:https://maidonanews.jp/

 

ただ、私は元教師なので、学校側の気持ちも分かるのです。学校現場はただえさえ仕事量が多く、激務であることは私も重々承知しています。とてもじゃないけど、飼育小屋まで目が届かないでしょう。ウサギの世話のために土日も学校へ来いとは、なかなか言いにくいです。

 

ですから、もう学校の飼育小屋は廃止にしませんか?だって、現状では飼育小屋に予算を付けることも、教師側に動物飼育の知識を付けさせることも、そんな気、教育委員会側には無いでしょ?『動物を飼うだけで"責任感"とか"思いやり"が身に付く』とか放置された飼育小屋でそんな教育ができるのでしょうか?

 

もっとも、現状では小学校の飼育小屋は、減少傾向にあるそうです

小学校の飼育小屋から「ニワトリ」「ウサギ」が消えつつある…きっかけは鳥インフルエンザだった!? - FNN.jpプライムオンライン

 

ただ、この記事の最後では

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

動物との触れ合いや世話を通して、思いやりの心を育む機会が減っていくことへの懸念があるのが今の状況のようだ。中島准教授が提案するような、小学校を取り巻く地域のサポートなどで、児童が命の大切さを学ぶ機会は失って欲しくないものだ。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

って結んであったけど、動物を飼育するって相当のサポートが必要ですからね。ウサギで言えば、毎日のエサやり水替え、糞の掃除。月1の爪切り(素人には難しい)に健康チェック、年1で健康診断。必要に応じて去勢手術(数万円)。病気になった時の診察代や薬代。台風や地震などの災害時に誰が保護するのか‥。

 

 

飼育小屋を廃止する代わりに、魚などを飼う学校も増えているようです。

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魚なら鳥インフルエンザとかアレルギーの心配も無いし、飼育が楽(と思われている)というメリットもあるのでしょう。

 

ただ、私も金魚飼ってますが、魚は魚で水質&水温管理とか大変だし、お盆やお正月のような長期休みの間とか心配です。

 

理想な学校飼育は、予算もついて、教師側にも動物飼育に関する研修があって、万全の飼育環境を準備出来て、その状態で子供たちと動物に触れ合わせる、ってのがいいんでしょうけど、そういうのは現状では"理想"としか言えないんでしょうかね‥(´・ω・`)

 

ちなみに、ツベルクリン家でのウサギちゃんの現状はこちら

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少しづつ体重が増えてきました(700g→1キロ)

 

 

 

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