【学校で教えてくれない社会科】は、社会科の教員免許を所有しているツベルクリンが、学校で教えてくれないような役立たない社会科の授業をしていくシリーズ記事です。12時間目は「陸繋島(りくけいとう)」の魅力について語っていきたいと思います。
"島"って普通、本土から離れていて周りを海に囲まれてますよね。島へ行くためには船で行くか泳いで行って溺れるかどちらかしかありません。
もし、島がなんらかの要因で本土と繋がって歩いて渡れるようになったら、すごくワクワクしませんか?そうですか、ワクワクしませんか…(๑・̑◡・̑๑)
地理学的には"本土と繋がっちゃった島"を「陸繋島(りくけいとう)」といいます。ツベルクリンは、陸繋島を見るとワクワクします。
こういうの
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B8%E7%B9%8B%E5%B3%B6
陸繋島が出来る要因としては、海流によって運ばれてきた土砂が、島と本土の間の海に溜まって砂の道になっちゃう、とのことです。
陸繋島には2種類あって
①完全に繋がっていて、繋がっている部分は絶対に海に沈まないパターン
②満潮の時は完全に島だけど、干潮の時にだけ、島と繋がる砂浜の道が現れるパターン
②パターンの島は、干潮の時にだけ道が現れるので、場所によっては「天使の道」「エンジェルロード」というクソみたいな名前で呼ばれていたりします。
そういう名前で呼ばれるってことは、陸繋島からほとばしる魅力に惹かれてるってことであり、素直に「WE ♡ 陸繋島‼︎」と表現すれば良いのです。
今回は、①パターンと②パターンの陸繋島を紹介していき、陸繋島フェチの方を増やしていきたいと思います。
※ちなみに、陸繋島と本土を繋いでいる道の部分を地理学用語で「トンボロ」といいます。
これは「トロンボーン」です(´・ω・`)
<目次>
①パターンの陸繋島
函館(北海道)
日本人は夜景が好きですが、「日本三大夜景」と呼ばれてる場所があって、長崎、神戸、そして函館です。函館には、クソ寒い中、各地のバカップルどもが夜景を見ながら『ここからの眺めは綺麗だね。でも君のほうがもっと綺麗だよ…』って言うために夜景を見に来るのです。
函館の夜景は、まさに陸繋島が作り出す夜景であり、函館の夜景を見る=陸繋島を見るって事なのです。人は知らないうちに陸繋島の魅力にはまっているのです。
江ノ島(神奈川県)
出典:https://enoshima-maji-aishiteru.com/kanko/340
サザンオールスターズを聞きたくなる神奈川県江ノ島。江ノ島も島って付いてますが、現在では本土と繋がっちゃった陸繋島です。
陸繋島は渡ってナンボのものだと思っているのですが、江ノ島は本土側から『ああ、あれが有名な江ノ島かぁ〜』って感動して終わり、みたいなところがあります。みなさん江ノ島そのものより、本土側の湘南海岸で遊ぶのが好きなのです。
出典:https://wow-j.com/jp/Allguides/kanagawa/sightseeing/01259_jp/
潮岬(和歌山県)
島と本土が繋がっちゃったその道のことを地理学用語で「トンボロ」といいます。普通トンボロは、あくまで島への通り道に過ぎないのですが、「トンボロに住んじゃおう‼︎」と悪ノリして、トンボロに市街地を形成しちゃった地域があります。それが和歌山県の潮岬(しおのみさき)です。実は、本州最南端の場所なのです。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/潮岬
赤〇の部分が市街地です。陸繋島が好きすぎて住んじゃったんですね(´・ω・`)
志賀島(福岡県)
志賀島(しかのしま)は、社会科の教科書でそこそこお馴染みの場所です。弥生時代に"漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)"と彫られた金印が見つかった場所です。そして、地理学的には、陸繋島の代表格としてその名前が出てきます。
志賀島は島のくせに、車道が繋がっていて自動車で上陸出来ます。日曜放送のテレビ番組『鉄腕DASH』において"ヨットVS陸路、どっちが早いか!"対決をやってました。
ヨットは海(赤い矢印)を、陸路は公共交通機関(青い矢印)で迂回する対決で、ヨットは--君、陸路は長瀬君でした。結果はヤラセでヨットが勝ったみたいです。あの有名番組でさえ、陸繋島の魅力に浸っているのです。
青島(宮崎県)
江ノ島はサザンオールスターズを聞きたくなりますが、青島はTUBEを聞きたくなります。かつての新婚旅行の聖地、宮崎県青島は陸繋島なのです。青島についてはこちらの記事もご参照ください。
新婚さんだって知らず知らずのうちに、陸繋島のお世話になっているのです。
桜島(鹿児島県)
今までご紹介した陸繋島は、海流が運んできた土砂が溜まって道になったものをご紹介してきました。桜島も陸繋島なんですが、繋がり方が違うのです。
陸繋島は、もちろん最初は島であり、それが長い年月をかけて少しずつ本土側と繋がっていったのですが、桜島が本土と陸続きになったのはたかだか100年前であり、土砂ではなく噴火して流れてきた溶岩によって陸続きになっちゃったのです。
桜島さんは、調子が良い年だと1年間におよそ1000回噴火する血気盛んな火山です。その桜島が本気を出したのが1916年の噴火です。その時流れてきた溶岩が大隅半島側に流れ、冷え固まったのです。この溶岩のせいで、桜島は大隅半島と繋がった陸繋島になったのです。
出典: http://www.kuro-usagi.net/koge_yogan.shtml
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②パターンの陸繋島
余島(香川県)
香川県の小豆島に、余島という小さな島があります。干潮の前後2〜3時間、余島に向かって一本の道が現れます。通称、"エンジェルロード"というクソみたいな名前で呼ばれています。
ちなみに、満潮時がこちら。
なお、渡った先の島は財団法人のYMCAの私有地なので、あんまり先に行きすぎると不法侵入で怒られます。名前はエンゼルロードですが、大人の事情を抱えている堕天使ロードでもあるのです(๑・̑◡・̑๑)
知林ヶ島(鹿児島県)
出典:http://www.ibusuki.or.jp/tourism/view/chirin/load/
鹿児島県薩摩半島の先っぽに知林ヶ島(ちりんがしま)があります。前述した小豆島の余島より出現頻度がレアです。3月〜10月の干潮の前後30分〜2時間の間、砂の道が出現します。
通称、"ちりりんロード"って名前が付いています。注意したいのが、ちりりんロードは片道800mあるので『ちりりんロードだって‼︎可愛い♪』みたいな頭がお花畑女子みたいなノリで来たら疲れます。
そして、出現時間が長くないので、島に渡ったあと、潮が満ちてきて帰れないというギャグみたいな悲惨な状態になることがあります。知林ヶ島と本土の間は非常に海流が早いので、泳いでも流されちゃいます。帰れなくなったおバカさんは、こちらにご連絡ください(๑・̑◡・̑๑)
〇指宿漁協(0993-22-2236)
〇海上タクシー(090-5739-1552)
モンサンミッシェル(フランス)
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/モン・サン=ミシェル
世界遺産の修道院であるモンサンミッシェルも、実はパターン②の陸繋島です。
モンサンミッシェルがある小島の周辺の海域は、満潮と干潮の差が激しく、干潮時に出現する砂の道が、満潮時には一瞬にして水没していたので、昔はたくさんの信者が溺れちゃってました。
出典:abaq.com/archives/51846389.html
そのため、現在ではモンサンミッシェルに向かうための橋が架かっています。砂の道を渡りながら、いつ満潮になるか分からないスリリングな度胸試しは出来なくなっています。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/モン・サン=ミシェル
終わりに…
これであなたも陸繋島フェチですね♪
なお②のパターンの陸繋島は、文章中にもありましたが、気をつけないと島に滞在中に潮が満ちてきて、帰り道が消え失せることがありますのでお気をつけください。