日常にツベルクリン注射を‥

現役の添乗員、そしてなおかつ社会科の教員免許を所持している自分が、旅行ネタおよび旅行中に使える(もしくは使えない)社会科ネタをお届けするブログです♪

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【アウトロー探訪】犬鳴峠・犬鳴トンネル・犬鳴ダム探検レポート【最恐都市伝説】

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【アウトロー探訪】シリーズは、シャレにならないくらいアウトローな場所や人物を私ツベルクリンが『最悪捕まっても問題ない』という意気込みで取材したシリーズ記事です。今回は、「犬鳴峠・犬鳴トンネル・犬鳴ダム探検レポート【都市伝説】」をお届けいたします。

 

 

はじめに

  • 当記事は2019年夏に福岡県の「南蔵院の涅槃像」「篠栗九大の森」を取材した際に一緒に取材し、放置していたデッドストック記事です(編集に時間かかりそうだったので今まで放置してました)
  • 立ち入り禁止エリアが数多くあります。監視カメラもたくさんあります。今回の取材は、立ち入り禁止エリア手前のみの取材です。決して立ち入り禁止エリアへ入らないようにお願いします。
  • 後述する都市伝説(犬鳴村伝説)に該当するような村は存在しません。今回はそれを証明するためにレポートしたようなものです。探検なさる方は自己責任でお願いいたします。

 

 

2020年2月に『犬鳴村』というホラー映画が公開されました。

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映画『犬鳴村』公式サイト

 

もちろん、怖いから見てません!(*'ω'*)。この『犬鳴村』というのは、福岡県のローカル都市伝説ネタ「犬鳴村伝説」を基にストーリーが作られています。

 

都市伝説「犬鳴村伝説」の概要をまとめると以下のようになります

  • トンネルの前に「白のセダンは迂回してください」という看板が立てられている。
  • 日本の行政記録や地図から完全に抹消されている。
  • 村の入り口に「この先、日本国憲法は適用しません」という看板がある。
  • 江戸時代以前より、激しい差別を受けてきたため、村人は外部との交流を一切拒み、自給自足の生活をしている。近親交配が続いているとされる場合もある。
  • 全てのメーカーの携帯電話が「圏外」となり使用不能となる。
  • 旧道の犬鳴トンネルには柵があり、乗り越えたところに紐と缶の仕掛けが施されていて、引っ掛かると大きな音が鳴り、斧を持った村人が駆けつける。「村人は異常に足が速い」と続く場合もある。

 

wikipediaの犬鳴峠 - Wikipediaページから引用した物です。そして、「これらの説は全て事実ではない。」と明確に否定されています。じゃあ、「犬鳴(いぬなき)」って実際はどんなところなんでしょう?私が今回取材してきましたので、みなさまにもご紹介していきましょう。

 

 

<目次>

 

 

 

 

犬鳴の地理やその概要について

 

犬鳴」という地名は残っています(住んでいる人はいない)。場所で言うと、福岡県久山(ひさやま)町と福岡県宮若(みやわか)市の境界線に存在します。久山町は福岡市側、宮若市は北九州市側にそれぞれ位置しています。

 

犬鳴地区には県道21号線が通っています。福岡市と北九州市を最短距離で結ぶ県道であり(ただ、迂回する高速道路を使ったほうが早い)、それなりの交通量があります。

 

都市伝説で言われている"犬鳴村"は、過去も現在も存在した事実はありません。恐らく、都市伝説の犬鳴村の名前の基になったのは、かつてこの地区に存在したのは犬鳴谷(いぬなきだに)村という名前の村であると推測されます。

 

その村も明治時代になって隣の吉川村に吸収合併されちゃいました。旧犬鳴谷村は「吉川村犬鳴」という地区名で戦後を迎えたのです。

吉川村 (福岡県) - Wikipedia

 

その吉川村も市町村合併により無くなり、現在では宮若市となっています。

 

 

 

犬鳴峠&犬鳴トンネルへ

 

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今回は福岡市に近い久山町側から県道21号線を通って、犬鳴地区へ向かいたいと思います。犬鳴地区は、犬鳴峠(標高270m)を超えた先にあります。

犬鳴峠 - Wikipedia

 



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峠道の入り口にある信号機の名前が「山の神」だもん。なんか意味深だもん(*'ω'*)

 

 


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犬鳴峠への入り口です。犬鳴峠を越えていく県道21号線は片側1車線の道路です。

 


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こんな感じの道路が続きます。

 

 

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こちらが、犬鳴トンネル(全長1385m)です。久山町側の入り口から撮影しました。ちなみに、都市伝説でネタにされているのは犬鳴トンネルの方です。実際に殺人事件が起きたのも旧犬鳴トンネルの方です。

犬鳴トンネル焼殺事件とは【福岡の超有名心霊スポット「犬鳴峠」】 - NAVER まとめ

 

もちろん、新犬鳴トンネルもオバケさんが出てくる噂がありますよ♪

 

旧犬鳴トンネルは、旧道に掘られたトンネルで1947年(昭和22年)に開通。その後、1975年(昭和50年)に現在の新犬鳴トンネルが開通し、その後旧道(旧犬鳴トンネル)は使用されなくなりました。

 

位置関係です。

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新犬鳴トンネル(オレンジ色)は、県道21号線が通っており、現在普通に通行できます。その新犬鳴トンネルの上の方に旧道(青色)が通っていて、旧道に旧犬鳴トンネル(赤色)が存在します。

 


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新犬鳴トンネルの手前には旧道が見えます。この旧道を進めば、旧犬鳴トンネルへ行けるのですがご覧の通りです。右上には防犯カメラもあります。

 

 


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英語で「DO NOT ENTER」とも書いています。グローバル化はここまで進んでいます(*'ω'*)

 


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確かに、新犬鳴トンネルの上のほうには旧道が見えます。前述したように現在は立ち入り禁止エリアです。もし、ここに人間が立っていたら、それはアウトローなYouTuberかオバケさんですから安心してください(´・ω・`)

 

この新トンネルが久山町と宮若市の境界になります。出口側は宮若市になります。新トンネルを通過し、宮若市側へ移動します。

 

新トンネル出口側(宮若市側)の写真を撮ってなかったので、Googleearthさんから借りてきました。

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宮若市側の出口の様子です。右側の方が旧道の出口です。もちろん、理論上はこの旧道を逆走していけば、旧トンネルの方へ行けます。

 

 

でも、バリアしてあるもん。Googleearthさんがここを通過したとき(上の画像)はこのバリアー無かったもん。
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このバリアーの奥に厳重な門があります。
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二段階防御だもん。

 


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久山町さんサイドの防御も固かったけど、宮若市さんサイドの防御はハンパないもん。こんな防御だったら逆に興味そそられちゃうじゃん。

 

 

実は、Googleearthで旧トンネルの様子を見ることが出来ます。

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新トンネルの上の方に、ポツンと1つポイント(赤丸部分)が。

 

 

ポイント部分をタップしてみると‥

 

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ぎゃああああああああああああああああああぁ!塞がれちゃってるもん。皆さんも、#stay at homeで旧犬鳴トンネルをお楽しみください。

 

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犬鳴ダム(ダムの底に沈んだ村)

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新トンネルを過ぎて宮若市側へ進んでいくと犬鳴ダムがあります。

 


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犬鳴ダムは1970年に着工、1994年に完成しました。このダムがあった部分には、もともと犬鳴谷村という村が実際に存在しました。

 

この犬鳴峠は、北九州市と福岡市を結ぶ最短ルートであり、江戸時代の頃から人々の往来がありました。江戸時代、福岡を治めていた黒田家は、防備を固める意味からこの犬鳴峠に集落を作り武士たちを住まわせました。それが、犬鳴谷村の起こりです。

 

犬鳴谷村は明治期に吉川村に合併され、「吉川村犬鳴」となり、昭和後期まで存在しましたが、『ダムを作るからどいて』と言われ、集落は消滅。ダムの底に沈みました。その集落が、尾ひれが付きまくって都市伝説としておどろおどろしく流布したのでしょう。


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ダムは車で1周できます。底に沈んだ集落の痕跡を探しに行きましょう。ダムの周回道路は時計回りに一方通行ですのでお気を付けください。

 


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ダム周回道路上に犬鳴山(標高583m)の登山口があります。

 

現在旧犬鳴トンネルへ向かう旧道は、通行禁止だし立ち入り禁止ですが、犬鳴山の登山ルート上に旧トンネルが存在するようです。つまり、登山客なら行けるってわけですが、ご覧の通りの登山道ですし、めんどくさいので登山口の写真だけで満足してね(*'▽')

 


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ダムの底に沈む前の犬鳴集落の様子が石碑にしてありました。集落内に小学校もありました。

 

 

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ダム周回道路は制限速度30キロです。

 

 

『一方通行だから対向車来ないでしょ、だったら飛ばそうぜ(*'ω'*)』と思ったファンキーな方。 

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道路荒れ放題だもの。確実にパンクさせにきてるよね。

 



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そして地面ボッコボコですやん、むしろ時速30キロも出せねえよ(*'ω'*)

 

 


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このダム湖の底に、かつての犬鳴集落があったんですね~。

 

 

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住民は0人かと思いきや、いました。

 

ダムの底に沈む前の犬鳴集落の人々は、主に炭焼きを生業にして暮らしていたようです。
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"日原炭焼小屋"なる残骸を見つけました。

 


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奥の方に炭焼小屋の廃墟がありました。この炭焼小屋が集落がダムに沈む前からあったかどうかは定かではありません。もしかしたら、犬鳴集落が健在の頃の建物かもしれません。

 


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そしてね、ここまで来るとスマホの電波届きません。助けも呼べないですもん(*'▽')

 

 

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この辺に昔小学校があったみたいです。でも探しましたが、残骸っぽいものは見当たりませんでした。ダムの底に沈んだのでしょう。

 

 

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分岐点です。右に進むとダム周回道路、左に進むとさらに山奥へ進めます。もちろん、アウトローな私は左へ行きますけどもね(*'ω'*)

 

 

地図で言うとで囲んでいるこの部分。

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空中写真で言うとこの部分。

 

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赤丸が分岐点、青枠が今から進もうとしているエリア。もう森だもん。何が起きても不思議じゃないよ♬

 


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まだまだアスファルトの道が整備されていますよ。行けるところまで行こう。

 

この先には、江戸時代の終わりに福岡藩が築いた犬鳴御別館という防御施設(城)の跡地があるそうです。

犬鳴御別館 - Wikipedia

 


f:id:tuberculin:20200508205802j:imageやがてでっかい水たまりが。地図で確認してもこの先はUターン出来ないもよう。手前にちょっと広くなってる部分があったのでそこでUターンしました。まあ、別に城跡見たって面白くないですしね。

 


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ところで、Uターンした場所に車(中には人はいない)が1台止まってたんですけど何だったんですかね‥。こんな山奥な場所だと、人間と出くわすのも怖いからね。まあ、周囲に人間がいる感じはしなかったんですけどね(´・ω・`)

 

ダム周回道路に戻りましょう。

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なにこのアクロバティックな石段は?

 


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登っちゃえ(´・ω・`)

 

 

登り切るとよく分からない場所に出ました。
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何ここ?

 

でもね、景色は良いのよ。
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ダムの堰堤が一望できます。まあ、こんな場所に人間がいるとは想像できませんから、下にいる人から見たら『うわぁ、あの高台にオバケいるよ~』って思われるかもしれません。

 


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それにしても今いるこの場所って何なんでしょうね?。展望台にしては簡単に転落できる場所なんですけど。

 


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犬鳴山方面を望みます。あの山の向こう側に、いわくつきの旧犬鳴トンネルが存在するのです。

 

 

終わりに‥

ご覧のとおり、特に何の怪奇現象や怖いこともなく終わりました(たぶん)。興味方位で行くような場所ではありません。行っても一部分は立ち入り禁止エリア化しており、何の面白みもありません。

 

いやぁ~それにしても深夜遅くまでかかってやっと書き終えたわ。そろそろ寝るとするかな。‥。あれ、呼び鈴がなったな、こんな遅くに一体誰だろ?とりあえず出てみるか‥‥‥‥‥。

 

 
犬鳴村 [小説版]【電子書籍】[ 久田樹生 ]

 

 

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