日常にツベルクリン注射を‥

現役の添乗員、そしてなおかつ社会科の教員免許を所持している自分が、旅行ネタおよび旅行中に使える(もしくは使えない)社会科ネタをお届けするブログです♪

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【保存版】アネクドート傑作集(解説付き)【ソ連ネタ】

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保存版】シリーズは、筆者であるツベルクリンが色々なジャンルのネタを好き勝手に書いていくシリーズ記事です。今回は、「アネクドート傑作集(解説付き)」です。



皆さんは「アネクドート」って知ってますか?どうせ知らないですよね。私はアネクドートのことで頭がいっぱいです(*'ω'*)。

 

アネクドートとは、現在のロシア連邦が昔ソビエト連邦(以下ソ連)だったころ、人々の間で秘密裏にかわされたジョークや小話のことです。ブラックジョークに近いものがあります。

 

当時のソ連は、言論の自由がなく秘密警察がウロチョロしている国でした。おおっぴらに政府に対する不満は言えません。なので、人々は不満をジョークに変え、うっぷんを晴らしていたのです。

 

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出典:ヨシフ・スターリン - Wikipedia

 

アネクドートには、いくつかの系統があって

  • 共産主義に対するもの
  • 独裁者スターリンに対するもの
  • 秘密警察に関するもの
  • 政治家に対するもの
  • 物不足に対するもの
  • 強制収容所に対するもの  ‥etc

などなど、アネクドートを通してソ連の政治体制を批判しているっていうかバカにしています。

 

こういったアネクドートは、当時の政治状況などの知識が無いと意味が分からなかったりするものもあります。今回は、様々なアネクドートを解説を交えながらご紹介していく傑作集です。『ジョークに解説を加えるとか、つまらない事をしてどうする』と思われるかもしれませんが、そんなこと言っちゃうとシベリア送りになりますよ(*‘∀‘)

 

 

 

アネクドート傑作集

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出典:マトリョーシカ人形 - Wikipedia

 

アネクドート全文を太字で表示していきます。その後に、私の解説を添付しています。

 

スターリンが川遊び中、川に落ちて溺れたところをたまたま助けた農民がいた。スターリンは農民に『褒美をあげよう、何がいいか?』と聞いた。農民は答えた。『あなたを助けた事を国家機密にしてください』

 

解説:国民から嫌われているスターリンを助けたことが周りに知れたら、『なんで助けやがった!!』とボッコボコにされちゃいます、っていう意味です。

 

 

 

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ある時、スターリンが誘拐されてしまった。誘拐犯から犯行声明が届いた。『身代金1000万ドル払え‼︎もし、払わなければ、スターリンを生きて返すぞ!』

 

解説:国民にとってはスターリンが生きて帰ってくることの方が恐ろしいのです。

 

 

 

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スターリンがお忍びで映画館に。ニュース映画ではスターリンの映像ばかり。観衆は本人以外大喝采。観衆は言います。『あんた、気持ちはわかるけどね、牢屋にぶち込まれたくなかったら拍手しなよ』

 

解説:観衆はスターリン本人だと気付いていないようです。スターリンを称賛する映画で拍手しなければたちまち秘密警察に逮捕されてどこかに連れていかれちゃいます。

 

 

 

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出典:https://www.travel.co.jp/

赤の広場で酔っ払いが叫んだ。『ブレジネフは大馬鹿だ!』と。すぐさま秘密警察に逮捕された。酔っ払いは尋ねた。『私の罪は国家侮辱罪ですかね?』と。秘密警察は答えた。『いや、国家機密漏洩罪だ』

 

解説:「赤の広場」とは、ロシアの首都モスクワの都心部にある広場です。近くにはソ連建国の父、レーニンの遺体を保存展示してあるレーニン廟があり、まさしくソ連にとっての聖地です。

 

ブレジネフとは、1964年から1982年までの長期間ソ連を統治した最高指導者です。ソ連の指導者の系譜としては、スターリン⇒フルシチョフ⇒ブレジネフ⇒ゴルバチョフ‥といった感じです。

 

ソ連の国威を強めたとして一定の評価はありますが、彼の現代でのイメージは「頭が完全に老化し、ろれつが回らず、体はむくみ、足もふらつきながら、服のいたるところに勲章を飾り付けて、権力だけは手放さない人物(wikipediaより引用)」というものであり、つまりはバカです。でも、バカなのが他国にバレてはまずいです。だから、国家機密なのです。

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出典:レオニード・ブレジネフ - Wikipedia

 

 

このアネクドートには続きがあります。

『ブレジネフを"大馬鹿"と言った酔っぱらいが釈放されたって本当ですか?』『本当です。ブレジネフ氏が国連でスピーチをした後は、国家機密ではなくなりましたから』

 

解説:大勢の前でスピーチをして、バカなのがバレちゃったブレジネフさん。

 

 

 

ブレジネフ=バカ、のアネクドートはまだあります。


あるバーで男達がブレジネフの悪口を言いながら飲んでいると、そこに秘密警察がやってきて怒鳴った。『貴様等!ブレジネフ書記長の悪口を言うとは何事だ!!』

 

男達はおそるおそる嘘を答えた。『我々は阿呆で有名な隣り村の村人の悪口を言ってたんでさぁ。書記長の悪口なんて恐れ多くてとても言えません』

 

この嘘にだまされた警官が言った。『お前等!これから悪口を言う時は気をつけろ!馬鹿だの無能だの低能だのと言ってるのを聞くと書記長の事だと思ってしまうからな!』

 

 

解説:かつてソ連には「ソ連国家保安委員会」という秘密警察が存在しており 、国民を監視していました。この委員会出身の有名人が現在のロシアを牛耳っているプーチンさんです。まさに、おそロシアを地で行く人物です。そして、この秘密警察側の人間でさえ、ブレジネフ=バカと思っているっぽいです。

 

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出典:ウラジーミル・プーチン - Wikipedia

 

 

 

そして、秘密警察に捕まるとシベリア送りにされて強制労働をさせられちゃうっていうのが一連の流れです。それに関するアネクドートをご紹介しましょう。

昔は政治犯がたくさんシベリアへ送られていました。ある1人の男が強制収容所に送られてきました。囚人たちが聞きます。『お前は懲役何年の刑だ?』と。男は答えます。『20年だ。何も悪いことはしていないのに…』と。すると、ほかの囚人が言いました。『そんなことはあるまい。無実の罪の相場は懲役10年だぜ』

 

解説:もうね、"無実の罪"も罪なのよ、ソ連では(´・ω・`)

 

 

 

『今度政府が懸賞付きで政治ジョークを募集するらしいぜ』『へぇ〜、それで1等賞は何がもらえるんだい?』『シベリアへの長期休暇さ』

 

解説:反政府主義者をあぶりだし、シベリアへの長期休暇(強制労働) へご招待とは、ソ連さんも憎い演出です。

 

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さて、ソ連は社会主義国です。社会主義体制を揶揄したアネクドートもあります。 

 

 

マッチ工事が火事になった。燃え残ったのは、マッチだけだった。

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解説:これは解説が必要でしょう。ソ連は社会主義国です。社会主義について説明するともうアレなので、かいつまんで説明すると、社会主義経済の柱は「平等」です。そこには、競争はありません。競争すると貧富の差が生まれるからです。

 

競争をさせないため、物を生産する際は、政府が各工場に「ノルマ」を与え、決まった量だけ作らせました。 それを、政府が回収し国民に平等に分配していきます。問題は、「ノルマ」さえ達成すればいいので、中には手抜きして製造する工場もあったのです。このマッチ工場も手抜きしてたから「火のつかないマッチ」だったってことです。

 

 

 

 

市民がパンを買うためには、長い行列に並ばなければならない。ついに、男の1人が怒ってこう叫んだ。『もう我慢ならない、俺はゴルバチョフを殴りに行く』と。しばらく経って、ショボンとした顔のその男が帰ってきた。並んでいた人はみな聞いた。『殴ってきたのか?』と。男は答えた。『あっちにも列が出来てた』。

 

解説:ソ連時代は、社会主義経済なので政府が「何を・どのくらい」作るのか全て決めていたのです。企業が決めることは出来ません。政府は、経済発展を優先させ重工業製品(軍事品や機械など)に重点を置き、軽工業製品(衣類や食品など)の生産をおろそかにしました。

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その結果、日用品が不足するようになりました。それが顕著になったのが1980年代です。日用品店には朝から人が並び、数少ない日用品を買い求める姿が見受けられました。「行列」は1980年代のソ連を象徴するものになったのです。

 

 

 

アネクドートには、「Q&A」方式のものもあります。いくつかご紹介していきましょう。

 

Q:『歯科医院に対する恐怖感を無くすためにはどうしたらよいですか?』

A:『簡単です。歯科医院があなたが口を開ける唯一の場所だと思うことです。』

解説:ソ連には言論の自由が無いことを言っています。

 

 

Q:『アメリカが崖っぷちに立たされているって本当ですが?』

A:『本当です。そして我がソ連は、その先を行っています。』

解説:ソ連さんは、崖から落ちちゃったようです

 

 

Q:『我が国の強制収容所がとても待遇が良いと聞きました。本当でしょうか?』

A:『本当です。5年前、友人である記者がその真相を確かめるべく強制収容所に調査に行き、気に入ったらしく、いまだに帰って来ませんから。』

解説:帰ってこない⇒✖、帰ってこれない⇒〇

 

 

 

 

以上、傑作集と題して様々なアネクドートをご紹介してきました。ソ連さんマジハンパねぇっす。でもね、なんだか憎めないんですよね、ソ連って(´・ω・`)。

 


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