日常にツベルクリン注射を‥

現役の添乗員、そしてなおかつ社会科の教員免許を所持している自分が、旅行ネタおよび旅行中に使える(もしくは使えない)社会科ネタをお届けするブログです♪

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【アルプスの少女ハイジ】ロッテンマイヤー先生の魅力を語る記事【実はいい人?】

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予定では元日の18時にアップ予定でしたが、諸般の事情を鑑みてこのタイミングでの更新といたしました。本年も当ブログをよろしくお願いいたします。

 

 


当ブログは世間の皆さんの80%が泥酔しているであろう元日の18時に、キャラクターネタをぶっ込んでくることで一定の偏見を得ています(*'ω'*)

 

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2024年の元日は、日本アニメ界有数の嫌われキャラであるロッテンマイヤーさん(『アルプスの少女ハイジ』)にスポットを当てることにいたしました。

 

『アルプスの少女ハイジ』は、1974年に放映されていたアニメです。ってことは今年で放映50周年を迎えます。私は平成生まれなのでもちろんリアルタイムで視聴していないのですが、そんな私でもハイジは知っているし、ロッテンマイヤーさんがクソだということも知っています。

 

今回、ロッテンマイヤーさんについての記事を書くにあたって、『アルプスの少女ハイジ』を全話(52話)視聴いたしました(月額動画配信サービスでハイジが配信されています)。

 

『全話観るとか絶対ダルいわ(*'ω'*)』って思っていたんですが、いざ観始めたらハマってしまいました。今では0歳の息子への子守歌が"ヨーレローレロヒホー ヨヒドゥディ ヤホホー"です。さすが宮崎駿氏と高畑勲氏の両名が製作に関わっていただけはありますね。

 

全話観た結果、「案外ロッテンマイヤーさんって良キャラっぽくね?(*'ω'*)」と感じるようになりました。この記事では、50年間悪役ポジションに君臨してきたロッテンマイヤーさんの意外な魅力を語っていきたいと思います。

 

 

<目次>

 

 

 

 

『アルプスの少女ハイジ』のあらすじ

 

 

 

 

幼くして両親を事故で亡くし、叔母・デーテによって育てられた少女・ハイジは、叔母の仕事の都合でアルムの山に一人で住む祖父・アルムおんじに預けられることになります。偏屈な人間として有名なアルムおんじはハイジの受け入れを拒否しますが、デーテは無理やりハイジを押し付けて帰ってしまいます。

 

機嫌を損ねるアルムおんじ、一方でハイジはペーターというヤギ飼の少年と早速仲良しになりアルムの山を楽しんでいました。そんな明るいハイジはアルムおんじともすぐに打ち解け、ペーターやヤギのユキちゃんらアルムの山の皆と楽しく過ごしますが、ある日叔母のデーテが山に現れ、ハイジをフランクフルトの大金持ち、ゼーゼマン家へ連れて行ってしまいます。

 

そこでハイジは病弱な少女・クララと出会います。ハイジとクララはとても仲良しになりましたが、ハイジは望郷の念から病気になってしまいアルムの山に帰るのでした。

 

アルムの山で再び元気になったハイジのもとにクララが病気療養の為にやって来ます。ほとんど家の外に出た事のなかったクララは、アルプスの大自然もとで元気に暮らし、努力の甲斐あって、立って歩けるようになるのでした。

 

 

 

 

 

 

って話です。たぶん当ブログの読者様の年齢層はアルプスの山々並みに高いので、リアルタイムで放送を観ていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?(*'ω'*)

 

 

クララは金持ちのゼーゼマン家の1人娘でした。クララの母親はすでに亡くなっており、仕事で忙しい父親の代わりに日常の世話をしていたのが、今回取り上げるゼーゼマン家の執事であったロッテンマイヤーさんなのです。

 

 

 

↑ クララとクララのお父さん(ゼーゼマンさん)。クララ想いで良いお父さんだが仕事が忙しくてあまり家にいない。

 

 

 

 

 

 

ロッテンマイヤーさんに対する一般的な評価としては『気難しい』『融通が利かない』『礼儀にうるさい』『ハイジに激しく叱責する』などと手厳しいものがあります。その一方で、大人になってアニメを見返して見ると、案外魅力あふれる女性だと言う評価もちらほら上がってきます。

 

 

ロッテマイヤーさんの魅力

 

 

 

ではこの章から、ロッテンマイヤーさんの実像に迫っていきたいと思います。

 

 

ハイジを家に受け入れる度量の大きさ

 

ロッテンマイヤーさんがクララの遊び相手を探していたのを知ったハイジの伯母のデーテは、半ば強引にハイジをゼーゼマン家に置いていきます。ロッテンマイヤーさんとしては、クララと同世代でなおかつクララと同等の学力を持つ女の子を探していたのですが、ハイジはその条件に当てはまりません。高貴な家の出身でもないただの庶民の子です。

 

 

当時の価値観ならば、こんな得体の知れない少女などすぐさま家から追放してもおかしくはないのですが、ロッテンマイヤーさんはハイジを受け入れる決断を下します。それは、相当の覚悟が必要だったのではないかと思うのです(クララがハイジを気にいったってのが大きいんですけどね)。

 

 

 

ハイジをクララと同等に扱う

 

 

ハイジを受け入れた以上、ハイジにクララの良き友達となってもらうために、様々な苦心をします。それは、ただの庶民の子であるハイジを、クララとほぼ同等扱いしていることからも分かります。

 

 

具体的に言うと、クララと同じ食事を与え、個別の部屋を与え、使用人にはハイジを「お嬢様」と呼ばせ、クララと同じ勉強をさせていました。どう考えても余計にお金がかかりますし、その費用をハイジ側に請求することはほぼ不可能です。確かに金持ちの家ではありますけど、ハイジにかなりの投資をしていることは確かです。

 

 

勉強に関しては、まず字を読めるようになることから始めています。私なら『え?この子は文字も読めないの‥』と愕然とし、もうほったらかしにしちゃいそうではありますが、ロッテンマイヤーは粘り強くハイジに教育をほどこそうとするのです。

 

 

 

挨拶を欠かさない

 

 

 

ハイジに対してはもちろん、アルムおんじやペーターにも会うたびに必ず挨拶をしています。フランクフルトの家にクララのおばあさまがやって来た際には、ハイジに対しおばあさまへの挨拶の練習を繰り返しさせていました。

 

 

挨拶の重要性を分かっているからこそ、ハイジに繰り返し教えたのであり、なおかつ自らも周囲への挨拶を怠らなかったのでしょう。もっとも、ゼーゼマン家の使用人に対しては挨拶はしていなかった気がするので、19世紀の価値観の限界とも言えます。

 

 

 

ハイジに対する教育の粘り強さが尋常ではない

 

大人になった今、アニメ放送のハイジを見返してみると、ハイジはかなりぶっ飛んでます。野良猫を何匹も家に連れて帰ったきたり、パンをクローゼットにたくさん隠してカビだらけ状態にしたり、食器を楽器代わりに叩いたり、と保護者の立場に立ってみると手を焼く存在であることは間違いありません。

 

 

実はハイジ公式自体も、「ロッテンマイヤーさん大変だよね‥」と思っているフシがあって、

 

 

子供時代にハイジを観るとロッテンマイヤーさんって口うるさい人に思えますが、大人になってみると、ハイジの教育は大変だろうな~と全く別の視点からハイジを観るようになるから不思議です。

 

 

 

ハイジに教育を受けさせ人並みの学力を付けさせた

 

フランクフルトの生活はハイジにとってかなり窮屈であり、アニメを観ているとハイジがかわいそうになり同情してしまいます。しかしながら、もしハイジがフランクフルトでロッテンマイヤーさんの教育を受けていなければ、ハイジの将来はどうなったでしょうか。

 

 

フランクフルトへやってくる前のハイジは、学校に行っておらず、基礎学力はもちろん、文字の読み書きも出来ないありさまでした。そのような状態では、近い将来アルムおんじが亡くなってしまったら、途端に路頭に迷ってしまう可能性が高くなってしまいます。

 

 

 

 

繰り返しますが、ハイジに対し何かを施したとしてもハイジの家族から何か得ている訳では無いのです。それでも、粘り強くハイジを教育し、そのおかげで山へ帰るころには本が読めるようになっていました。全然行っていなかった学校の授業にもついていけたのは、ロッテンマイヤーさんの教育のおかげなのです。

 

 

 

仕事が出来る

 

クララが療養のためにアルプスまでやってきた際、とりあえずふもとの村に滞在することになったクララとロッテンマイヤーさん。『ここには私たちの世話をする使用人はいないのか?』とアルムおんじに問うと『村の者はみな忙しい。自分で探しなさい』と返されるロッテンマイヤーさん。

 

 

すると、ロッテンマイヤーさんはわずか一晩のうちに、身の回りの世話をしてくれる女性の村人、クララをアルムおんじの山小屋まで運んでくれる人、さらには自分が乗るための馬を手配してしまうのです。

 

 

いくら財力があるからといっても、初めてやって来た村でこんなに早く世話人を手配するのは並大抵のことではありません。段取り力がすさまじいです(*'ω'*)

 

 

 

 

クララへの愛情がはかりしれない

 

 

 

結局のところ、ロッテンマイヤーさんはなぜ庶民のハイジをゼーゼマン家の一員として扱い、教育を施しているのかと言えば、クララがハイジのことを大切な友達だと思っているからです。母親代わりとして世話をしてきたクララへの愛情が強いからこそ、クララが大事に思うハイジへの扱いも特別なものになるのです。

 

 

おばあさまがハイジとクララをフランクフルト郊外の森へ連れ出した際、無理したせいかクララが高熱を出してしまいます。森へ出かけることに反対していたロッテンマイヤーさんは『おくさま、こうなったのは誰の責任か、よくお分かりですよね!』と、強い口調でおばささまに意見しています。

 

 

執事の立場からおばあさまに意見するのは相当イレギュラーな行為なのでしょうが、言いかえればそれほどまでクララの事を心配していたことがうかがえるのです。もっとも、それが本当にクララのためになるかどうかは別問題ではあるのですが…。

 

 

 

クララへの愛情が歪みまくっているのが不人気の要因

 

ロッテンマイヤーさんは礼儀正しく粘り強さもあり、クララに対する愛情ははかりしれないにも関わらず、アニメ中では悪役ポジションになってしまっています。その大きな要因が、クララへの愛情そのものがかなり歪みまくっているからなのです。そして歪みまくっているにも関わらず、自分の考えこそが正しいと信じ、曲げることはありません。

 

 

ロッテンマイヤーさんは、クララの病気を治すには部屋で安静にしていることが何よりだと信じています。それは、アルムの山へクララが静養に行った際に、クララの行動を制限する方向に働きかけていることからも分かります。

 

 

もっとも、ストーリーが進むにつれて"クララが歩けないのは病気のせいというよりロッテンマイヤーさんが過保護すぎるんじゃね?(*'ω'*)"と小学生の視聴者でも気づくようになっています。

 

 

もちろん、おじいさんもそのことに気付いており、『そういう特別扱いが一番いけないんじゃありませんか?』とロッテンマイヤーさんに強い口調で投げかけています。

 

 

最終的には、クララのおばあさまの『クララはおじいさんたちに任せて、あなたはフランクフルトの家の仕事に戻って欲しい(クララの邪魔だから帰れ)』との助言で、泣く泣くクララと一旦離れ、山を下りることとなったのです。

 

 

そんなロッテンマイヤーさんも、クララが自力歩行できるようになった事実を突きつけられたことで、ようやく自分のクララに対する接し方が間違っていたことに気付きます。その後、あれほどまでクララが山へ行くことに反対していたにも関わらず、クララの歩行トレーニングに付き合い、アルムの山への再訪を勧めるようになるのです。

 

 

 

 

ストーリー内における絶妙な悪役加減

 

 

 

『アルプスの少女ハイジ』においてロッテンマイヤーさんは、悪役と言うかヒール役を担わされています。もっとも、例えば『天空の城ラピュタ』のムスカのような完全な極悪非道キャラというわけではなく、あくまで物語のスパイスとしてほどよい悪役ポジションに収まっています。

 

 

ストーリが進むと、悪役というよりアルムの山の動物たちにコケにされるお笑いキャラに変貌していきます(動物嫌いという設定がある)。フランクフルトの家ではあれほど権威があったロッテンマイヤーさんも、アルムの山にやってくれば逆にクララから心配されるレベルにまでコケにされ、その権威はがた落ちしてしまいます。

 

 

ただの悪役ではないキャラ設定が、彼女の魅力や大人世代の共感を生み出していると言えるのではないでしょうか。

 

 

 

ロッテンマイヤーさんを憎めない要因の一つは"声"

 

ロッテンマイヤーさんをいまいち嫌いになれない、むしろ味があるキャラクターとしてとても親近感が沸く理由の1つに、彼女の役声を担当している声優さんが麻生美代子さんだということが挙げられます。

 

 

手っ取り早く言ってしまえば、ロッテンマイヤーさんの声=サザエさんのフネの声=麻生美代子さん、なのです。麻生さんは1969年から2015年まで『サザエさん』のフネ役を務めており、多くの日本人にとって麻生さんの声はイコールお母さんの声、のような存在になっているのです。

 

 

ロッテンマイヤーさん声を聞いていると、意識せずともその背景におフネさんが浮かぶように日本人のDNAに組み込まれているのです。ロッテンマイヤーさんの言うことにも一理ある、と思わせるだけの力が、役を担当する麻生さんの声にはあるのです。

 

 

 

 

さあ、皆さんも久しぶりにハイジを観よう!

 

 

 

この記事を書くために、『アルプスの少女ハイジ』を全52話最初から観ましたが、一気に観てしまいました。1974年の放映からすでに50年が経ちますが、今観ても十分楽しめるほどクオリティが高い作品だと思います。

 

月額の動画配信サービスなどで『アルプスの少女ハイジ』が配信されているので、皆さんも久しぶりにハイジを観てみませんか?そして、ロッテンマイヤーさんの言動に注目すると、『ハイジに怒るのも無理ないわ~(笑)』と子供の頃とは違う感想を抱くかもしれません。

 

 

 

 

 

 

追記

この度の能登地震でお亡くなりになられた方、また震災に伴う出動時に航空事故に巻き込まれた海保隊員の5名に対し、深い哀悼の意を表します。

 

添乗員時代に、北陸はよく団体ツアーで行く定番の旅行先でした。北陸ツアーの行程に必ずと言っていいほど組み込まれていたのが、輪島の朝市です。朝市のエリアが地震による火災が原因で焼け野原のような惨状になってしまったのは、頻繁に訪れていた私にとって、非常に衝撃的な光景として写りました。

 

個人的に好きだったのが珠洲市にある道の駅「奥能登塩田村」です。ここでは、昔ながらの揚げ浜式塩田で塩が作られており、ここで作られた塩が大好き過ぎて、通販でも購入しているくらいです。

奥能登塩田村:能登に残る日本唯一の揚浜塩田

 

この塩田村も、そこに向かうまでの道路が被害を受けており、営業休止に追い込まれています。 

 

 

 

現状、奥能登を訪問することは難しいですが、将来必ず復興してくれると信じています。2016年に地震が発生した熊本でも、熊本のシンボルとも言うべき熊本城天守閣の内部見学が2021年に再開されました。奥能登も同じようにいつかまた観光が楽しめる日が来るはずです。

 

同じ石川県でも金沢とはまた違った趣がある奥能登エリア、また観光客の受け入れが始まった際には、ぜひ足を運んでいただきたいと思います。そして、まずは何よりも早い復興を祈念しております。

 

 

 

 

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