【保存版】シリーズは、筆者であるツベルクリンが色々なジャンルの有益かつ無益な情報を書いていくシリーズ記事です。今回は、日本で古くから使われている昔の単位(尺貫法)をまとめました。
現在の日本では、長さや距離を表すときには「メートル法」が使用されています。1mとか1㎞とかそんな感じです。同じように、重さはグラムやキロ、量はℓやmℓといった世界共通の単位が使用されています。
これらの単位は、戦後に施行された計量法という法律に基づいて導入されました。『これからは契約書などの公式な文章は全てメートル法表記ね!!』と法律で強制的に定められたのです。
しかしながら、現代の日本国内においても、メートルやキロといった世界共通の単位を使用せず、日本古来の単位(尺貫法という)を使用する場合も見受けられます。例えば、土地の広さを「坪(つぼ)」で表したり、お米の量を「合(ごう)」で表したりします。お米の場合1合=180mℓですけど、『お米180mℓ炊いておいて!』なんて言われても「?」ってなります。
古くから使用されてきた単位は、人間の生活に即した単位が数多く見受けられます。『人が1時間で歩ける距離を"1里"としよう』といった感じで、積み重ねられてきた経験則によって決められた単位なので、日本古来の単位で表したほうがピンとくるときもあると思います。
この記事では、そういった日本古来の単位、尺貫法についてご紹介していきたいと思います。
<目次>
長さ&距離の単位
里(り)
イタリアからアルゼンチンんへ出稼ぎに行った母親に会いに行くアニメ『母をたずねて三千里』。舞台は外国なのに、"三千里"という日本の距離の単位を使っちゃってます。
1里=約4キロ(3.927㎞)です。ってことは「三千里=1万2000㎞」となります。
『1里は約4キロだわ』と決めたのは徳川家康とされています。そして主要な道沿いに1里ごとに一里塚(いちりづか)という目印を設置しました。4キロと言う距離は、人間が1時間に歩く距離だとされています。
町(ちょう)
1町=約110m(109.0909m)です。男子100m競争は日本風に言えば男子1町競争になります(誤差とかそんなの知らないよ)。
徳川家康は前述した1里の距離を定める際、『36町で1里だわ』と決めました。1町110m×36=3960m、となりますからだいたい合ってます。数十mほどの誤差をいちいち口出ししてはいけませんよ。
丈(じょう)
1丈=約3m(3.0303m)です。現在では、普段の生活で丈が登場することはあまりありませんけど、長さのことは『丈(たけ)は〇〇cmで~』と、漢字自体は残っています。
鎌倉時代のエッセイリスト、鴨長明(かものちょうめい)の代表作『方丈記』は、この丈から来ています。3m×3mの広さを方丈(ほうじょう)と呼んでいたのですが、『人間、住むなら方丈サイズくらいが丁度いいわ(*'ω'*)』という意味を込めて、エッセイのタイトルを『方丈記』としたのです。
方丈は、現代の感覚でいえば4畳半ほどです。貧乏学生さんたちは常日頃から方丈記状態なのです。
間(けん)
1間=約1.8m(1.818m)です。この単位も今ではあまり使われませんが、1間=畳の長い方の辺の長さ、とお考え下さい。
畳1畳分は人間が寝転がれる広さと言われています。昔の日本人の平均身長は現代よりも低かったので、畳1畳分の長さ(1間)あれば十分寝転がれたのです。
後述しますが、1間(1.8m)×1間(1.8m)の広さが坪(つぼ)です。
尺(しゃく)
1尺=約30cm(30.30cm)です。学校でよく使う30㎝定規が尺の長さとイメージしてください。尺は現代でも結構使用します。
江戸時代中頃までは、1尺の長さは地域によってバラバラでした。それを統一したのは、初めて正確な日本地図を作製した伊能忠敬です。
正確な日本地図を作成するために、長さの基準を統一する必要があったのです。
テレビ業界などで『尺が足りない』という表現をする時があります。これは元々映画業界の言葉で、1秒間の映画を撮るのに必要なフィルムの長さが約30センチ(つまり1尺)だったのです。ここから、長さの単位のくせに時間が足りない的な意味合いで『尺が足りない』などと使われるようになったのです。
寸(すん)
1寸=約3㎝(3.0303cm)です。昔話の『いっすん法師』の"いっすん"って何やねんと思っていた方、実は長さの単位だったんですね~。つまり、いっすん法師の身長は約3㎝ということになります。
ってことは、絵本の絵から推察するに、いっすん法師の乗っているお椀もそこそこ小さいってことになります。勝手に『味噌汁お椀くらいかな?』と思ってましたが、彼の身長を考えると、刺身皿くらいっぽいです。そんなサイズ、すぐ転覆するやん(*'ω'*)。
そして察しの良い方はお分かりの通り、10寸=1尺です。
分(ぶ)&厘(りん)&毛(もう)
ここから先は『細かすぎて目に見えない』単位シリーズです。
- 1分=約3mm
- 1厘=約0.3mm
- 1毛=約0.03mm
となります。現代では小数点で小さい数字を表しますが、小数点という概念が日本に入ってくる前の江戸時代(小数点の概念は明治時代に日本へ紹介されました)は、小数点以下の数字を漢字の単位で表現していたんですね。
現代では、長さの単位というより野球の打率でこの表現が使われます。「打率3割2分1厘」といった感じです。
広さの単位
町(ちょう)
1町=約1haです。さきほど長さの単位で「町」を紹介しました。長さの単位とかぶって紛らわしいので、広さの場合で使用する時は「町歩(ちょうぶ)」と言い換えたりします。すなわち、1町(約110m)×1町(約110m)=1町歩≒1haです。
もっと言うと1ha=1万m²なので、1町≒1万㎡になります。「ha」や「m²」という単位は外国から入ってきた表現で、現在は世界共通の単位ですが、たまたま1町と1万m²が同じくらいの広さになったのは面白い偶然です。
反(たん)
1反=約1000m²です。1000m²=0.1haなので、つまり10反≒1町歩です。ここまでくると算数が苦手な人が付いて来れなくなる領域かもしれません。
反は田んぼの面積を示すときによく使用されます。田んぼを減らす政策のことを「減反(げんたん)政策」と言ったりもします。
畝(せ)
1畝=約100m²です。100m²=1アールとなります。そして10畝=1反です。このあたりの一致は、日本古来の単位と欧米から入ってきたメートル法換算がたまたまキリのいい数字だった、と言えます。本当にたまたまです。
坪(つぼ)
1坪=約3.3m²です。坪という単位に関しては、現在でも不動産業界でよく使用されます。もっとも、3.3m²の広さって言われても全くピンときません。でも、『1坪=畳2枚分の広さ』と言えば、想像力ビンビンでしょう。
畳(じょう)
これほどまでに欧米化が進んだ現代日本でさえ、部屋の広さを表現する時に「〇〇平米(m²)」と言われるより「〇〇畳(畳〇枚分)だよ」と言われたほうがイメージしやすいです。
問題は、地域によって畳1枚分の広さが微妙に違うことです。
出典:https://ishinhome-okayama.jp/
以上の図のように、日本には現在4パターンの畳のサイズが存在します。どれも"1畳"です。
ちなみに、和室の広さは畳、洋室(フローリング)の広さは帖、とそれぞれ読み方は同じですが漢字が違います。ですが、1畳と1帖は同じ広さと考えてもらって結構です。
言い換えると、間取り図で「〇〇畳」と書かれていたらその部屋は和室、「〇〇帖」と書かれていたらフローリングの部屋だと思ってくださいね。
量の単位
石(こく)
1石=約180ℓです。日本ではお米の収穫量を石という単位で示してきました。また、石という単位はよく「加賀100万石」といった感じでお殿様の領地の広さを表す基準として用いられることが多いです。
江戸時代における各大名家のパワーを表す指標として、お米の収穫量が基準とされていました。加賀100万石というのは、100万石分のお米が収穫できる広さの土地を持っている、という意味です。
1石の米をキロ数で言い換えると約150キロほどとなります。よく米の量は「合(ごう)」という単位も使用しますが、150キロ=約1000合になります。実は、この1000合という数字は、人間が1年間で食べるお米の量と同じと言われています。加賀100万石と言われた前田家は、1年間に100万人を食わせていけるだけの財力を持っていた、と言えます。
1年間に1000合というと、1日当たり3合お米を食べていることになります。昔の人はめっちゃ米食ってたんだわ(*'ω'*)
斗(と)
1斗=18ℓです。ガソリンスタンドなどに灯油を買いに行くとだいたい「18ℓ・〇〇〇円」みたいに、18ℓが基準で販売されています。この中途半端な数字がどこから来ているかというと、世間一般で販売されているポリタンクの容量が18ℓだからです。
【18L 灯油缶(青)】 【消防法適合品】【ポリ缶】【灯油缶】【灯油タンク】【ポリタンク】【安全】【18L】
では、このポリタンクの容量がなぜ18ℓなのかと言うと、日本古来の単位である「1斗」が18ℓと決められているからです。まだポリタンクが普及していなかった時代は、一斗缶なんていうブリキ缶に灯油を入れていました。
プロレスラーのアジャコングさんはいまだに一斗缶を使用しています。
出典: https://www.tokyo-con.com/
すなわち、"1斗=アジャ・コング"と覚えていただければ問題ありません。
升(しょう)
奥播磨 山廃純米 1.8L【日本酒/清酒】【1800ml/一升瓶】【兵庫/下村酒造店】おくはりま
1升=約1.8ℓです。つまり、10升=1斗となります。
現在でもガラス瓶に入ったお酒は、1.8ℓの瓶、すなわち"一升瓶"という形で販売されていることが多いと思います。一晩で一升(1.8ℓ)のお酒を飲み干す奴とかヤベぇ奴です(∩´∀`)
合(ごう)
1合=約180mℓです。先ほど1石(約150キロ)=1000合、と紹介しましたので、1合のお米の重さは約150グラムと言えます(品種によって若干バラツキがあります)。
現代生活においても、例えば『お米360mℓ炊いておいて~』とか言わないはずです。言うヤツがいたらバカです。『お米2合炊いておいて~』の方がしっくりきます。このように、日本古来の単位もいまだに生活の中に溶け込んでいるのです。
勺(しゃく)
1勺=18mℓです。つまり、10勺=1合となります。
飲み会の席で先輩や上司にお酒を注いであげることを『お酌する』なんて言い方をしますよね。「酌」という漢字の中に「勺」が入っていますよね。実は、1勺とはだいたいおちょこ1杯分ほどの量を指しているんです。
もちろん、嫌な上司がいたら1勺どころか1斗くらい芋焼酎を喰らわしてやればいいのです。
重さの単位
斤(きん)
1斤=約600グラムです。この1斤=600グラムという基準は、中国の基準であり、昭和中ごろまで日本でも日常生活で斤が使用されていました。
ですけど、近年では主に食パンを数える時に「1斤、2斤…」と言うくらいで、重さの単位と言うより食パンの数え方という認識の方が強いです。
ちなみに、日本パン公正取引協議会とかいう、香ばしいイイ香りがしそうな団体が示した基準として、『食パン1斤あたりの重さは340グラム以上ね!それ以下は1斤じゃねえから』と宣言しました。
つまり、食パンを1斤購入したとして、その重さが340グラム以下だったとしたら、窓からぶん投げても構わないということです。
貫(かん)
1貫=約3.75キロです。
江戸時代においては、小銭(寛永通宝など)に穴が開いていたので、そこに紐を通して一まとめにして所有&流通させることもありました。小銭1000枚分の重さを"紐を貫いた重さ"とした所から貫という漢字を当てるようになりました。
太った人を「百貫デブ」と罵る言葉がありますけど、1貫の重さが3.75キロですから、百貫デブの人は体重が375キロあることになります。小錦とか白鵬以上のデブということでヤバいです(*'ω'*)
匁(もんめ)
1匁=約3.75グラムです。すなわち。1000匁=1貫となります。
『3.75グラムとかピンとこねぇよ!(*'ω'*)』と思われたあなた、朗報です。5円玉がジャスト3.75グラムです。そして、江戸時代に広く流通した寛永通宝なども1枚当たり3.75グラムになります(だから寛永通宝を1000枚集めると3.75キロ、つまり1貫の重さになるわけです)。
重さの単位としての匁は、戦前までは普通に日常生活で使用されていました。現代では、ほとんど使用されなくなってしまいましたが、唯一、真珠の世界では世界共通の重さを示す単位として匁が使用されています。
これは、真珠の養殖にはじめて成功したのが日本(御木本幸吉が三重県の志摩で養殖に成功)なので、その功績をたたえて、との理由からです。
「匁(もんめ)は真珠の世界公式単位」について考える - 団塊オヤジの短編小説goo
終わりに…
ちなみに私は日本酒を1勺飲むと、ベロンベロンになってしまいます(*'ω'*)
当ブログのtwitterアカウントはこちら
ツベルクリン@アウトローブロガー (@tuberculin0706) | Twitter