タイトルの「映画あまり観ない奴」というのは私ツベルクリンのことです。私は映画をあまり観ません。映画館へ行くのもオリンピック開催と同じ頻度くらいです。
ネットを検索すると『年間300本以上映画を鑑賞する映画通がおススメする映画!』とか、説得力で満ち溢れる記事が散見されます。しかし、その逆のベクトルの記事があってもいいんじゃないでしょうか?"映画興味ない奴でも心動かされる映画"とかあったらそれは映画の中の映画、と言っても過言ではありません。
2年くらい前に似たような記事を書きましたけど、2年経ったので観た映画の数がちょっと増えました。今回は、あまり映画観ない私が完全な主観でおススメの映画をランキング方式で紹介していきます。『なにこの順位?』『はい、あの映画が入ってない!』とか言われましても、映画あまり観ない奴なんだから仕方ない。
※私が観たことある全てのジャンル(アニメ、洋画、邦画ジャンルは不問)から、私の主観のみでトップ10を決めました。
<目次>
おススメ映画ランキングトップ10
第10位
第10位は高畑勲監督『おもひでぽろぽろ』です。1991年公開作品
<あらすじ>
1982年、夏。10日間の休暇を取った27歳の会社員タエ子は、姉の夫の親戚が暮らす山形へ旅に出る。東京で生まれ育った彼女には、小学5年生の時、田舎がなくて寂しい思いをした記憶があった。旅の途中、彼女は当時の懐かしい思い出を次々と蘇らせていく。小学5年生の自分を連れたまま山形に到着した彼女は、親戚の家の息子トシオや農家の人々と触れ合う中で、本当の自分を見いだしていく。
ジブリ作品といえば、どうしても宮崎駿監督が思い浮かびます。私のイメージですが、宮崎作品はファンタジー要素の強い作品が多いのに対し、高畑作品は現実要素の強い作品が多い気がします。
現実要素が強い作品だからこそ、人間の心理的な描写が細かく描かれていますし、舞台となった山形の美しい田舎の描写は、さすがジブリといったところでしょうか。
第9位
劇場版 名探偵コナン 瞳の中の暗殺者【Blu-ray】 [ 高山みなみ ]
第9位はこだま兼嗣監督『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』です。2000年公開作品。
<あらすじ>
刑事が連続して射殺される事件が発生した。偶然にも事件現場に居合わせたコナンは小五郎と共に調査に乗り出すが、警察内部の関与が疑われることから情報の提供を拒まれてしまう。そんな中、警察関係者が多数出席するパーティ会場で、トイレに行った佐藤刑事が何者かに銃撃され重傷を負う。一緒にいた蘭は自分のせいで佐藤が撃たれたと考え、ショックのあまり全ての記憶を失ってしまう。事件の目撃者である蘭も命を狙われ、彼女の身を守りながら真相を突き止めるべく奔走するコナンたちだったが……。
出典:名探偵コナン 瞳の中の暗殺者 : 作品情報 - 映画.com
1997年から毎年公開されている劇場版名探偵コナン。2000年に公開された『瞳の中の暗殺者』は、人気が高く、日本テレビ『金曜ロードショー』の番組内で実施された名探偵コナン映画ランキングでも第1位に輝いた作品です。
劇場版「名探偵コナン」視聴者投票結果発表!第1位に輝いたのは『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』2月7日(金)放送!|金曜ロードシネマクラブ|日本テレビ
いつもの劇場版以上に推理に力を入れており、序盤の伏線もきっちり回収する脚本も見事です。トリックは比較的シンプルですが、それが気にならないほどのテンポの良さとアクションシーンの迫力さ。コナンの映画を普段見ない方にもおススメの作品です。
第8位
第8位は近藤喜一監督『耳をすませば』です。1995年公開作品。
<あらすじ>
読書好きな中学生3年生の少女・月島雫は、自分が図書館で借りてくる本の貸し出しカードの多くに「天沢聖司」という名前があるのを見つけ、それ以来、顔も知らない天沢聖司の存在が気になっていた。夏休みのある日、図書館に向かう途中で遭遇した一匹のネコに導かれ、雫は「地球屋」という不思議な雑貨店に迷い込む。やがて店主の孫の少年が天沢聖司であることを知り、2人は徐々に距離を縮めていく。しかしバイオリン職人を目指す聖司は、中学を卒業したらイタリアへ渡ることを決めていた。その姿に刺激を受けた雫は、本を読むばかりではなく、自らも物語を生みだそうと決意するが……。
出典:耳をすませば(1995) : 作品情報 - 映画.com
観ていると『あぁ、こんな中学時代を過ごしたかったなぁ~』と感傷に浸ってしまうのでアレなんですけど、やっぱりキュン死にしてしまいますわ。主人公の雫にとって聖司君は最初は"ヤなヤツ"だったんですけど、徐々に気持ちが変わっていく、その心模様の変化が丁寧に描かれています。
恋愛物語の中に、中学生が漠然と抱く将来の不安や葛藤も織り交ざられていて素敵ですし、この脚本を書いたのが宮崎駿というおっさんなのも素敵です(*'ω'*)
第7位
ルパン三世 カリオストロの城 【Blu-ray】 [ 山田康雄 ]
第7位は宮崎駿監督『ルパン三世 カリオストロの城』です。1979年公開作品。
<あらすじ>
宮崎駿監督の劇場初監督作品として知られる名作アニメ。盗み出した大金がゴート札と呼ばれる偽札であることに気づいたルパンと次元は、ゴート札の秘密を探るため、カリオストロ公国へやって来た。そして謎の男たちに追われていた少女クラリスを助けるのだが……。
出典:ルパン三世 カリオストロの城 : 作品情報 - 映画.com
公開当時(1979年)はまだスタジオジブリ立ち上げ前であり、映画としてアニメーションが堪えうるかどうか分からなかった時代に出現したまさにアニメ映画の傑作です。
すさまじくテンポが良い、無駄なセリフや描写が皆無に等しいです。そして未だに金曜ロードショーで繰り返し放送されまくっています。公開から40年以上経っても未だに色あせないことを証明しているようです。
第6位
第6位はクリント・イーストウッド監督作品『硫黄島からの手紙』です。2006年公開作品。
<あらすじ>
戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、アメリカ留学の経験を持ち、西洋の軍事力も知り尽くしている陸軍中将の栗林忠道(渡辺謙)が、本土防衛の最後の砦ともいうべき硫黄島へ。指揮官に着任した彼は、長年の場当たり的な作戦を変更し、西郷(二宮和也)ら部下に対する理不尽な体罰も戒めるなど、作戦の近代化に着手する。
出典:解説・あらすじ - 硫黄島からの手紙 - 作品 - Yahoo!映画
監督はアメリカ人のイーストウッド氏ですが、日本側からの視点で描かれており、日本人のセリフは全て日本語で話されています。やはり主役の渡辺謙の演技が良いですね、それに脇を固める中村獅童や二宮和也も個性が光ります。
イーストウッド監督は同時期にアメリカ側からの視点を描いた『父親たちの星条旗』も製作しています。どちらも共通している視点は、戦場へ出てしまえば政府の掲げる大義名分など関係なく、一兵士として苦悩する姿があるという点です。それは戦いに勝利したアメリカ軍も同じなのです。
第5位
【中古】戦場のピアニスト 【DVD】/エイドリアン・ブロディDVD/洋画ドラマ
第5位はロマン・ポランスキー監督作品『戦場のピアニスト』です。2002年公開作品。
<あらすじ>
ナチスドイツ侵攻下のポーランドで生きた実在のユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの自伝の映画化で、監督のポランスキー自身も、パリでポーランド人の両親のもとに生まれ、収容所で母親を亡くし、各地を放浪して生き延びたという体験を持つ。1939年、ナチスドイツがポーランドに侵攻。ワルシャワの放送局で演奏していたピアニストのシュピルマンは、ユダヤ人としてゲットーに移住させられられる。やがて何十万ものユダヤ人が強制収容所送りとなる中、奇跡的に難を逃れたシュピルマンは、必死に身を隠して生き延びることだけを考えていた。しかしある夜、ついにひとりのドイツ人将校に見つかってしまう‥。
人がこんなにも簡単に死んでいくのか、そしてその死をかなりリアルに描いている作品。なすすべもなくドイツ兵の前に射殺されていくユダヤ人たちの姿を見ていると、これが本当に起こったことだととても信じられないような、戦争の恐ろしさを否応なく観ている者に突き刺してきます。
ただ、映画全編を通して一貫してドイツ=悪と描いているわけではなく、ドイツ兵が主人公(ユダヤ人ピアニスト)を助けるシーンもあります。そこに存在するのは民族間のイデオロギーではなく人間の情であり、未来志向的な描写もあるのが救いとなっています。
第4位
【送料無料】この世界の片隅に(DVD)/アニメーション[DVD]通常版【返品種別A】
第4位は片淵須直監督『この世界の片隅に』です。2016年公開作品。
"1944年広島。18歳のすずは、顔も見たことのない若者と結婚し、生まれ育った江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。それまで得意な絵を描いてばかりだった彼女は、一転して一家を支える主婦に。創意工夫を凝らしながら食糧難を乗り越え、毎日の食卓を作り出す。やがて戦争は激しくなり、日本海軍の要となっている呉はアメリカ軍によるすさまじい空襲にさらされ、数多くの軍艦が燃え上がり町並みも破壊されていく。そんな状況でも懸命に生きていくすずだったが、ついに1945年8月を迎える。"
舞台は戦時中の広島県呉市。18歳で他家に嫁いだすずが主人公。戦争映画なので悲壮感漂うストーリーなのかと思いきや、戦時下でも明るく懸命に生きていく様子が描かれています。戦時中だって、人々は前向きに日々の幸せを見つけて懸命に生きていたんだろうな、と一市民の視点からうかがい知ることができる作品です。
第3位
幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター2010 【DVD】
第3位は山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』です。1977年公開作品。
<あらすじ>
山田洋次監督が高倉健を主演に描く人間ドラマ。共演に倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり。失恋して自暴自棄になった鉄也は、新車を買って北海道へ傷心の旅に出る。そこで鉄也は一人旅をしていた朱美のナンパに成功し、さらに2人は海岸で勇作という男と知り合う。旅をともにすることになった3人だが、刑務所から出所したばかりだと話す勇作が、愛妻へ出した葉書のことを語り始め……。
出典:幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ : 作品情報 - 映画.com
映画のポスターなりDVDの表紙の写真ですでにネタバレしてる感満載なんですがそれを差し引いても邦画史上に残る名作と言って差し支えないでしょう。
やっぱり高倉健さんの演技が渋いのよ。それに、武田鉄矢の演技の才能を発掘したのもこの映画。後に『3年B組金八先生』に主演するきっかけとなったと言えます。
個人的には、まだ炭鉱があって元気だったころの北海道夕張の街並みを見られることもポイントが高い。今のオワコン化してしまった夕張を知っていると、当時の賑わいが切なくなってしまうのです。
第2位
第2位はフランク・ダラボン監督の『ショーシャンクの空に』です。1994年公開作品。
<あらすじ>
スティーブン・キングの中編「刑務所のリタ・ヘイワース」をティム・ロビンス&モーガン・フリーマン主演で映画化した人間ドラマ。長年ショーシャンク刑務所に入っている囚人レッド(フリーマン)と無実の罪で収監された元銀行副頭取アンディ(ロビンス)の友情を軸に、アンディが巻き起こす数々の奇跡が描かれる。
アメリカのショーシャンク刑務所を舞台とした作品で、刑務所内の人間ドラマに焦点を当てています。この映画は、伏線の回収がまあ素晴らしいのよ。観終わった後に感動と言うよりスカッとします。
1位発表の前に残念賞
ここでは、ランキング圏外の作品をいくつかご紹介していきます。
『君の名は』
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大ヒットを記録した新海誠監督作品『君の名は。』。高校生の男女が入れ替わっちゃうって話です。絵もすごく綺麗ですし、人が入れ替わるというありきたりなSFテーマではありますが、ストーリーは予想以上に壮大です。
ただ、引っかかるのがなぜこの男女が入れ替わったのか、という根本的な理由。なにか生前に繋がりとかゆかりがあるのかなぁ~とか思いましたがそういう描写は無かったように感じました。『入れ替わるのは誰でも良かったのかな?』とか感じちゃうと何かアレです。
『鉄道員』
降籏康雄監督の『鉄道員(ぽっぽや)』。正直に申し上げるとストーリー(脚本?)に波が無いと言うか、物語が淡々と進んでいく感じがします。高倉健さんの演技力に任せちゃう、みたいな。あと、高倉健さんと子役がキスするシーンも謎というか違和感(たぶん原作通りかと思いますけど‥)。
ただねぇ~、広末涼子は可愛い。ヒロスエ全盛期だもん。透明感ありすぎだろ。つまり、この映画は高倉健の演技と広末涼子の可愛さを味合うために観る映画だと言えます。
『海がきこえる』
【中古】 海がきこえる /望月智充(監督),氷室冴子(原作),中村香(脚本),永田茂(音楽),坂本洋子(武藤里伽子),飛田展男(杜崎拓),関俊彦(松野豊) 【中古】afb
スタジオジブリ作品の『海がきこえる』。高知県に住む高校生が主人公の恋愛物語です。この映画を見ると高知県に行きたくなります。この映画は私にとって最も「エモい(ノスタルジック)」映画です。エモいわ。
1993年公開の映画で、当時の若手スタジオジブリスタッフが製作した作品です。この作品を観た宮崎駿氏は作品の出来に不満だったようで『俺にだって青春恋愛映画作れるわ!!』と意気込んで脚本を書いたのが1995年公開の『耳をすませば』なのです。
非常に好きな映画なのですが、やはり『耳をすませば』の方に分があるかな‥と思います。残念賞というか惜しい作品です。
第1位
映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 [ 矢島晶子 ]
第1位は原恵一監督『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』です。2002年公開作品。
<あらすじ>
しんのすけは家の庭で妙な古い手紙を見つける。しかも、その手紙を書いたのは他ならぬしんのすけ本人。しかし、しんのすけにはそんな手紙を書いた記憶がない。内容を読んでもちんぷんかんぷん……。そして、しんのすけは知らぬ間に戦国時代へとタイムスリップしてしまう。そこで、しんのすけは、ひょんなことから偶然出会ったかっこいい侍、井尻又兵衛由俊を助けてしまう。城に招かれ陽気な家来たちと騒いだり、お姫様の廉姫に一目ぼれしたりするのんきなしんのすけだったが……。
出典:映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 - 作品 - Yahoo!映画
劇場版クレヨンしんちゃん屈指の、いや日本アニメ映画作品屈指の、いやいや日本の映画史に残る屈指の名作。ギャグマンガとレッテルを貼られているクレしん映画を第1位に持ってくるのは、生粋の映画ファンからすればお叱りを受けそうではありますが、私の中ではこれ以上の映画とまだめぐり会えていません。
ラストシーンはかなり心を揺さぶられました。それでいてクレしんらしくしっかり小ネタも挟んでいくスタイル。子供も大人も楽しめる名作です。
終わりに…
偉そうにランキングにしちゃってますが、まだ『タイタニック』とか『アルマゲドン』とか『七人の侍』とか観てないですからね。とりあえずタイタニック観ないとな、くそ長いけど(๑・̑◡・̑๑)
タイタニック<2枚組> 【Blu-ray】 [ レオナルド・ディカプリオ ]