【保存版】シリーズは、筆者である私ツベルクリンが色々なジャンルの有益かつ無益な情報を書いていくシリーズ記事です。今回のテーマは、「元教員が教えるクラス替えの決め方、方法について」お伝えしていきましょう。
学校行事で最もファンタスティックでドキがむねむねする行事は、やっぱりクラス替えでしょう。
でも、そんな重大な意味を持つクラス替えってどんな感じで決められるのでしょう?今回は、元教師の私がクラス替えの中身をこっそり教えたいと思います♪
※地域や学校によってクラス替えの方法は様々です。あくまで一例(私の元勤務校の場合)とお考えください。
<目次>
クラス替えをするのは学年の先生たち
クラス替えをするのは学年の先生です。私が元中学校教師なので中学校を例にすると、
1年生の先生たち→次の2年生のクラス替え
2年生の先生たち→次の3年生のクラス替え
3年生の先生たち→次の新入生のクラス替え
たいてい、1年生の担当だった先生は次年度は持ち上がりで2年生担当になることが多いです(必ずそうとは限りません。転勤される先生もいらっしゃいますし‥)。
3年生担当の先生は、教え子が卒業するので、新しく入学してくる予定の小学6年生たちのクラス替えを担当します。小学校から6年生の個人情報(成績や友人関係など)が中学校に送られてきます。その情報をもとに、まだ会ったことの無い児童のクラス替えを検討していきます(中学校の先生の中には、事前に小学校へ訪問する先生もいる)。
クラス替えの会議は3学期の試験終了後に、学年の先生が全員集まって行われます。私は、当時担任を持っておらず副担任という自由気ままな立場でしたが、ちゃんと参加しましたよ。
クラス替えの決め方、方法
では、どのようにクラス替えを決めていくのでしょうか?クラス替えで考慮される事項は以下の点です。
- 成績
- 人間関係
- リーダーシップ(特に次年度2年生の子達)
- 注意が必要な子
- 双子
- ピアノが弾ける子
- 運動能力
細かく見ていきます。
成績
成績でクラス替えの8割程度は決まってしまいます。ここでいう成績とは、学年末試験(3学期に実施される定期テスト)を指します。現在、中学校においては試験の詳しい順位は生徒には教えていません。順位を知っているのは先生たちだけです。
学年末試験の5教科総合点の順位順に、上からクラスを割り振っていくのです。例えば、3クラス存在するとします。順位が上の子から順番に割り振っていきます。
1組‥1位の子
2組‥2位の子
3組‥3位の子
次に、3組から順番に割り振っていきます。
3組‥4位の子
2組‥5位の子
1組‥6位の子
そして、また1組から順番に割り振っていきます。
1組‥7位の子
2組‥8位の子
3組‥9位の子
これを繰り返していくのです。パソコンに成績を入力してしまえば、あとはエクセルなんかで簡単に処理できます。これで、大ざっぱなクラス替えの原型が完成するのです。
人間関係
ここからは教師の手による調整が入っていきます。まずは、成績順で大ざっぱに振り分けされた新クラスの中で、人間関係に問題が無いか調べます。『この子とこの子は敵対しているからクラスは離したほうがいい』『A子は以前B子をいじめていたから、クラスは別々にしましょう』といった感じです。
反対に『C子は人見知りで友達が少ない。いつも仲良くしているD子と一緒のクラスにしよう』といった考え方もあります。
『うちら3年間一緒のクラスとか奇跡やん♬』とかキャッキャしている中学生もいるとは思いますが、それは奇跡なのではなく先生たちによる人為的なものだったりします(まあ人為的なものとしても一緒のクラスになれることは嬉しい事ですよね)
リーダーシップ
ここでいうリーダーシップとは、具体的に言うと「生徒会役員として働けそうな子」という意味です。
中学校には生徒会という自治組織というか運営組織が存在します。たいてい、2学期になると生徒会選挙が実施され、2年生の中から新生徒会役員が決定されるのです。
先生たちは1年生の3学期時点で、次年度の生徒会選挙を見据えて、ある程度『この子なら生徒会役員になれそうかな~』というリーダーシップのある子を各クラスに均等に振り分けるのです。
そして、ちょっとディープな話ですが、そういう風に"リーダーシップのある子"とみなされた生徒に対しては、生徒会選挙告示前に教師が『〇〇さん、生徒会に立候補してみない?』と誘導するのです。生徒会選挙に先生の後押し無しで立候補する生徒ってほぼいません。たいてい、先生から推薦されての立候補です。
中学時代、生徒会に立候補した私の友人に、今になって当時のことを聞いてもやっぱり先生側からのスカウトはあったようです。そして、私自身には何のスカウトもありませんでした。成績は結構良かったのに‥。そして、今の現在のアウトローっぷりを見ると、当時の私を生徒会にスカウトしなかった先生たちの目は正しかったのです。
注意が必要な子
発達障害があると疑われる子、不登校気味な子、人をいじめたり暴力的な子、など問題を抱えている子は、クラス替えにおいても注意が払われます。
たいていは、各担任の負担が重くなり過ぎないように、注意が必要な子は分散させる傾向にあります。学校によっては、超リーダーシップがあって絶大な信頼がある先生がいる場合、『私のクラスで全員面倒見るわ!!!』的なアグレッシブな先生もいます。
もちろん、注意が必要な子はそのクラスの担任だけではなく、学年全体でケアしていこうとする姿勢も求められますけどね。
双子
私が勤務していた中学校に、男子の双子がいました。仮に双子が同じクラスにいたら、マジで見分けがつきません。
双子が一緒のクラスにいると、仲良くしすぎたり逆に喧嘩したりとデメリットの方が多い気がします。ただ、家庭訪問でそれぞれの担任の先生が来るのは保護者側にとってはめんどくさいかもしれません。『まとめて来いよ!(*'ω'*)』的な感じで。
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ピアノが弾ける子
中学校には「合唱コンクール」という、『ちょっと男子!!真面目に歌ってよ!!』となぜか女子がやる気満々になる行事があります。もっとも、私の勤務校は男子の方がやるキッズで、『もっと女子頑張れよ‥』って思ったこともありますが。
合唱コンクールが開催される以上は、各クラスに最低1人はピアノが弾ける子がいないといけません。クラス分け会議で配布される生徒名簿にも、ピアノが弾ける子の名前横の備考欄には「ピアノ」って書いてありますもん。
運動能力
運動が出来る子、苦手な子をバランスよく各クラスに配置させないと、次年度の体育会(運動会)の結果が悲惨なことになってしまいます。
もっとも、運動能力に関してはあくまで参考程度で、今まで説明していた基準より優先順位は低くなります。
生徒や親がクラス替えに関する要望を出してもいいのか?
ここまで、クラス替えの方法ややり方、その基準をご紹介してきました。この記事を読んでいる中学生やその保護者の方が気になるのは、『クラス替えに関する要望を学校側に言ってもいいのか?』ということでしょう。
その質問に対する私の答えは、『言っていい(必ず望みを叶えるとは言ってない)』です。クラス替え会議は3学期の学年末試験の終了後に実施されますから、その前のタイミングで先生側に言ってみてください。
例えば、『〇〇ちゃんがいつもイタズラしてくるので、次年度はクラスを離してほしい』『〇〇ちゃんしか友達がいないから来年も一緒のクラスになりたい』などです。
私が現役教師のころ(新卒で23歳)、1人の女子生徒が『〇〇さんと同じクラスにしてほしい』と私に頼んで来ました。その子は、大人しくて人見知りの子でした。私は『ちょっと他の先生たちにも言ってみるわ~(誰も新卒教師の意見なんて聞いてくれねぇって‥)』と答えました。でも、クラス替え会議でその件について意見してみると、すんなりその意見が通ったのです。そして無事、同じクラスになれたのです。
なので、クラス替えに関する意見って案外通ります。もちろん、例外もあるでしょうが、23歳の新人教師の意見でも受け入れられることもあるので、悩んでいる中学生や保護者は1度相談してみるとよいでしょう。
クラス替え会議は学年全体で行います。1人の先生だけで決められることではないので『頭の中に入れておきます』くらいの返答しかもらえないでしょうが、それでも受け入れられる可能性は低くはありません。
もちろん、あくまで要望としてお願いしてみてください。『受け入れなければ教育委員会に告発します!!』みたいな脅しは控えてくださいね。
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