ブログを始める人の中には、『ブログで稼ぎたい!』と思って始める人がいると思うんですよね。ネット上を検索してみると「ブログを書いて不労収入!」「ブログで月〇〇万円稼ぎました!」「初心者でも稼げる!」みたいに誘惑する文言が数多く見受けられます。
ブログで稼ぎたいと思う人は、Yahoo!なりGoogleで「ブログ 稼ぎ方」「稼げるブログ 書き方」といったワードで検索すると思います。すると、"先輩ブロガー"たちのアドバイスが載っていたりします。中には「続きは無料メルマガで!」「無料でnoteを公開中!」みたいに、自分の運営するHPなりサロンに誘導する先輩方もいらっしゃいます。
私はそういう"稼ぐためにブログをやる"ことに対して、違和感を覚えるんですよね。ブログって稼ぐことを第一目的にしてやるもんじゃないでしょ(*'ω'*)。『文章を書きたい!』『自分の思いを伝えたい!』『みんなに知って欲しい!』みたいな熱い気持ちを文字にしたいと思った時にキーボードを叩くのがブログなんですよ。稼ぎたいだけならコンビニバイトとか内職の方が稼げますよ。
例えば、料理人やミュージシャンだって『美味しい料理を食べてもらいたい』『音楽をみんなに届けたい!』と思って目指しますよね。それを突き詰めていく中で、『もし音楽で食べていけたらいいな‥』と初めて思うわけです。ただ稼ぎたいって理由だけで、包丁を握ったりギターを始める人はほぼいないと思います。だったら、ブログも同じじゃないですかね?
ネットの噂で『ブログって稼げるらしい』と知った人が、いざブログを始めても稼げるわけありません。だって、『書きたい!』っていう熱い想いが無い状態で文章を書いてるんですもの。そんなしょうもない理由で書いた文章が人の心を惹きつけるわけないのです。
『ブログを始めたけど稼げないな~』って思っている初心者ブロガーさんに忍び寄ってくるのが"先輩ブロガー"さんたちです。先輩方はブログとtwitterをリンクさせている人が多いんですけど、twitterアカウント名を見てみると『@月収50万ブロガー』『@30万PVブロガー』みたいに、こっちが聞いても無いのにブログの収益やPV数を書いていたりします。そんな先輩方は、初心者を誘惑し、自分のメルマガや講習会に誘導することで利益を得ていたりします。
そういう収益っていくらでもごまかしが効きますからね。twitter名だって収益が0円の人でも「@月収50万ブロガー」とか嘘ついて名乗ったって(たぶん)誰からも怒られません。収益やPV数を示した表やグラフを証拠としてアップしている人もいたりしますが、いくらでも編集できますからね。
【検証】Twitterのブロガーって本当に稼いでるの?アクセス数を丸裸にしてみました。|りなっぷる|blog.rinapple.com|note
でも、ごまかしが効かない物があります。それは、文章そのものです。『文章を書きたい!』っていう強い想いを持って、自分の言葉で書かれた文章は少なからず人を惹きつけるものです。ブログで稼ぎたいという目的が第一に来ている人の文章は"水っぽいカレー"みたいな、薄っぺらい文章ですわ。
そして、中には人の記事をそのままコピペしちゃうようなブロガーさんもいます。そんなの、万引きした商品を転売するようなものであり、マナー違反というより犯罪です。結局、自分の言葉で文章を書けないから、他人の土俵で相撲を取るしかないんですよね。
Amebaブログってパクり多いよね? - wanichanの日記
そもそも論ですけど、私が利用しているはてなブログでは、稼ぐことを第一目的にしたブログの運用を禁止してますからね。
こちらの公式見解に書かれているフレーズを借りて表現すると"熱意と知識に基づいた良質なコンテンツによって社会に対して価値を提供することを目指した有益なブログ"ならば、一定の範囲内での営利活動を認める、としています。あなたの書く文章は、"熱意と知識に基づいた"文章になっているでしょうか?
だから、『ブログが稼げない~(泣)』と嘆く必要はありません。むしろ稼げないことを誇らしく思うべきです。Googleアドセンスを貼り付けているブロガーさんの中で、記事の最初の方や中間くらいの広告がクリックされまくる(アドセンスのマイページで調べればどの位置の広告がよくクリックされるのか分かります)状態はあまりよろしく無いのでは、とさえ思います。記事よりも広告のほうが気になる、っていう読者からの無言のメッセージくらいに思った方がいいかもですよ。
何度でも言いますけど、ブログは稼ぐためにやるものではないですよ。誰かに伝えたい、文章を書きたいって思う人が文章を書くツールなのです。書きたいことがあるときに、書けるだけ書けばいいのです。そして、ちょうど大道芸や路上ミュージシャンの投げ銭のように、『年に何回かアドセンス振り込みがあればいいな♪』くらいの気持ちでいるほうが気持ちが楽ですよ。
よく『ブログのネタが無い!どうしよう~』って悩んでいる人がいますけど、変な話です。それに対する私の答えは、『ネタが無いならブログを書かなければいいじゃない』になりますね。書きたいことが無ければ書く必要はありません。無理やり書いたって、『書きたい!』って気持ちを伴っていなければ、レベルの低い記事になるだけです。ブログなんてあくまで「趣味」です。「仕事」では無いのですから。
もちろん、書きたいって気持ちだけじゃ文章は書けないものです。ある程度の経験が必要です。中学生の書く文章と80歳の方が書く文章ではその重みが違ってくるはずです。文章を書くための自分の経験値が足りないな、って思えば本をたくさん読んで知識を吸収したり、積極的に外へ出て経験を積んでください。1記事書くのに数時間、数日、なんなら数か月かかったって構わないのです。渾身の記事は、すぐには評価されなくてもやがて自分のブログを支える最強の記事になるかもしれないのですから。
例えば、当ブログ内の記事で申し訳ないのですが、
この記事は、私の"渾身"の記事ですね。数時間とか数日では書けませんでした。それに、『稼ごう♬』なんて気は微塵もない記事です(参考文献の本の紹介はしてるけど)。元社会科教師として、皆さんに知ってほしい過去の歴史を、『書きたい!』って気持ちをぶつけながら完成させた記事です。
ちなみに、当ブログの下書きに途中で中断している記事があります。その記事は、「かくれキリシタン」について書いている記事です。元々、かくれキリシタンに興味があり、添乗員という仕事柄、観光客を迎え入れている教会に行くこともあったので、勉強して記事にしたいと思っていたのです。ところが、書いていく上で『やっぱり現地調査しないと満足いく記事は書けないな‥』と思うようになり、記事の編集をストップさせているのです。
かくれキリシタン 長崎・五島・平戸・天草をめぐる旅/後藤真樹【1000円以上送料無料】
ここまでくると、1記事書くのに数か月かかってしまいますし、交通費だってバカになりません。稼ぐどころか赤字です。そこまでしようと考える理由は単純です。『書きたい』『伝えたい』という気持ちと、読者の方により良質な記事を届けたいという気持ちがあるからです。
収益はたいして得ていない私ですが、そんな私が得ているものがあります。それは、色んなブロガーさんとの交流です。
かつてあの有名美人絵日記美人ブロガーの北野トマレさんと対談したことがあります。トマレさんは長崎に住み2人のお子さんを持つ歯医者さんです。住んでいるところも違いますし、普通に生きていたら絶対に巡り会えなかった人です。そんな彼女と腹を割ってお話しできたのも、ブログをやっていたからです。
このように、性別や年齢、職業や住んでいるところに関係なく、色んな障壁を乗り越えて様々な人と交流できるのがブログの良さなのです。ブロガーとしての最大の"収益"は、他のブロガーさんとの交流が出来ることです。ブログを通しての出会いは、「月収100万円!」とか「月間50万PV」といった誘い文句が霞むほどに尊いものなのです。
もちろん、プロブロガーの方々の中には『インスタとかtwitterのフォロワー1万人いるから!』と主張する方もいらっしゃるでしょう。でも、そのつながりのほとんどは得体のしれない数字(月収とか年収とか)に興味がある人たちです。そのブロガーさんが書く文章に魅了されて集まったわけではないでしょう。数字でフォロワーさんたちを釣っているアカウントを見ると『何だかなぁ~』って思います。
何度でも言いますけど、ブログは『書きたい』『伝えたい』から書くものですよ。そして、ネタ切れって言ってる時点で、書くという行為が手段ではなく目的になってしまっていることに気付いていない方が多すぎです。ネタが無いなら書かなければいいだけです。ネタも無いのに無理やり文字数だけ長く書いて、"水っぽいカレー"みたいになった記事ばかりアップしていたら、黒歴史になっちゃいますよ。