【時には昔の雑誌を‥】シリーズは、ツベルクリン所有の昔の雑誌を解説を入れながら読んで行くシリーズ記事です。今回は1974年7月の『中一時代』を読んで行きます。
前回の当シリーズの記事はこちら
今回取り上げる「中学時代」シリーズは、旺文社が1956年から1991年まで発行していた中学生用の学年誌です。以前、当ブログで学研が発行していた「中学コース」を取り上げたことがあります。
「中学コース」と「中学時代」はライバル雑誌であり、当時の中学生(現在のアラフォーとかアラフィフとか)にとって、どちらを購読するか、派閥が分かれました。前回は「中学コース」を取り上げましたので、今回は「時代派」に配慮して記事を書きました。
1974年時点で13歳ということは、1961年4月~62年3月生まれが対象であり、現在の58歳のおっさんおばさんです。とんねるずの石橋貴明さんとか脚本家三谷幸喜さんの世代です。その人たちが13歳のころの雑誌を読んでいきましょう。
<目次>
表紙ページ
表紙のモデルなんですが、佐瀬陽一と赤松由里らしいんですが、平成キッズのツベルクリンには全く分かりません。ご存知の方いたらブックマークやコメント等でご伝授ください。
広告ページ
「ジャガーシリーズ」と題された靴の広告です。月星化成という会社の製造で現在はムーンスターという会社名になっています。
出典:https://www.moonstar-onlineshop.com/12320721.html
見た感じ、中1がとりあえず校則に反しない靴を選んだらこうなった、みたいな見た目をしています。私服の時にこれを履いていたら「お、おう‥(´・ω・`)」となってしまうような靴です。
こちらも靴の広告。世界長株式会社というメーカーで、当時"セカイチョー"と呼ばれていた人気の靴メーカーだったようです。"パンサーシリーズ"は、1964年に誕生し、長らく製造中止になっていましたが、2016年に復活しています。
70年代の中学生にとって、校則を破らないで学校へ履いて行ける靴として「ムーンスター」か「パンサーシリーズ」の2つの選択肢があったと思われます。
当ブログで過去に1度取り上げたことがある(どの記事か忘れた、探すのめんどくさい)のが、この「睡眠学習機」。その広告が載ってました!
この機械に覚えたい事柄(英単語とか)を吹き込んで、夜寝ている間に再生するとなんと朝起きたら完璧に覚えちゃってるよ!!!!という素敵な学習機材なのです。
結構いい値段したと思われます(現在の価値でプレステが買えるくらい)。まあ、こんなもん買う中学生は、睡眠学習うんぬん以前にバカなのです(´・ω・`)。
海援隊
もうね、武田鉄矢若すぎ(´・ω・`)
フォークソンググループである海援隊は、1972年にメジャーデビュー。この年74年の紅白歌合戦に『母に捧げるバラード』で初出場。人気が出始めていたころです。
この後、海援隊は全く売れなくなってオワコン状態になります。再ブレイクしたのは、1979年に発売された『贈る言葉』のヒットがきっかけでした。
ラブラブコーナー
読んでるこっちが恥ずかしくなるコーナーです。読者の中1から寄せられた赤裸々な恋心をつづったお便りです。
<ふたりのコイビト>京都 M・K子
「私はいまとても大好きな人がいます。その人も私のことが好きだっていわはりました。このことはクラス全員が知っています。その人はT君なのです。席もとなりよ!そしたらH君にも好きだって言われました。私はH君はただの友達と思っていたんですが、好きっていわれてみると、私も好きだったみたいなのです。けれども、好きだって2人から言われると困ります。このごろH君のことばかり気になってしまいます。みんな、私を浮気とか、変わった、っていわはります。ふたりも好きになっていいのでしょうか。このごろ夜もロクに眠れないのです。これからどうしよう?クラスの中では2人に口がきけなくなってしまったの。よい考えを教えてください」
13歳程度のクソガキが、同時に2人から好かれるとか贅沢すぎです。世の中の男女比は1:1なのに、こういう状況があるから、余ったツベルクリンには恋人がいないのです。
京都府在住らしいですが、「いわはります」とか方言モロ出しです。今の中学生も「おいでやす~」とか言うんでしょうか?(´・ω・`)
ちなみに、このコーナーは読者の悩みを聞くだけでなく、その悩みに対する解決方法の投稿も募集していたようです。
大人に一言いいたいよ!コーナー
当時の13歳が大人に言いたいことをぶちまけているコーナーです。
「いま、政治はメチャクチャ。選挙で大きな宣伝していたくせに、口先ばっかりだ!国会ももっとまじめにするべきだ!(福岡県 生土昌行)」
「おとなはウソつき、世の中ヒドい。それなのにお父さん、お母さんは内閣や議員と戦わない。どうせなら、子どもに政治をやらせろ(神奈川県 X夫)」
今の政治家にも聞かせてやりたいですね~。今の還暦間近の日本を牛耳っている世代も13歳のころはピュアな心を持っていたのです。
「この世の中を大人の言うようにさせてはいかん。おとなが自然を壊して、自然を守れと言う。大人が節約しようと言ってムダ使いしている。大人が世の中をこわして、こんな世の中じゃダメだからボクたちが上手くやれ、という。おとなは卑怯だ、汚いよ!(福井県・宮田一弘)」
自然保護や環境保全の考え方が生まれだしてきたのが、この70年代前半だと思われます。この時代は、公害問題が表面化していて、その公害を解決するための環境保護、という考え方でした。
このように、今では会社でふんぞり返っている上司だって、13歳のころはピュアな気持ちを持っていたのです。いつ変わってしまったのでしょう。ですから、今後そういう上司を見かけても、生あたたかい視線を向けて頂ければと思います(´・ω・`)
読者のイラストプレゼント
読者が描いた絵をプレゼントしちゃうよコーナーです。読者から旺文社に送られてきた絵を掲載し、その絵を欲しいと思った読者が応募する、というお金がかからない絵のオークションみたいなコーナーです。
漫画家が描いた絵ならまだしも、知らない中1が描いた絵とか誰が欲しがるんでしょうか?上のページの「②ボクの友達」とか、書いた人も"ボクの友達"も誰か分かんない絵を欲しがる奴って何者なんでしょう?(´・ω・`)
右上は一瞬「北斗の拳」かと思いましたが、当時連載されていた「愛と誠」という不良漫画の主人公、太賀誠(たいがまこと)というキャラです。
出典:http://www.asahi.com/showbiz/column/animagedon/TKY201206170092.html
連載コミック『わたしはレモン』
ちょうど今回の7月号が連載スタートの漫画が掲載されていました。『わたしはレモン』という漫画で、作者は井出ちかえさんです。
『ビバ・バレーボール』という元祖スポ根漫画の作者らしいです。『アタックNo.1』と同時期に連載されていた漫画ですが、アニメ化されていないので知名度はそれほどではありません。
正直、70年代の漫画ってとりあえず目がキラキラしてれば良いみたいな感じで、ストーリーはドタバタっていうかぶっ飛んでいる漫画が多いです。この漫画も、ぶっ飛んでます。漫画中に出てくる"郷ひろみ"もちろんあの郷ひろみです。当時はアイドルだったんですね~。
解説を入れると、当時郷ひろみが出演していたドリンクなCM中の決めゼリフが『カラダにいいこと何かやってる?』だったのです。漫画中のセリフはそこから引用されています。
ちょいちょいアレな単語が出ていますが45年前だから問題ないのです(´・ω・`)
終わりに‥
このほかにも、「ペンフレンド募集!」コーナーが掲載されていましたが、個人情報モロ出しなので掲載を控えさせて頂きます。ツベルクリンが小学生~中学生になったころは、ペンフレンドは死語であり、どちらかというと、同じ学校内で同級生に書いてもらう「プロフィール帳」なるカードが流行りました。
なるべく多くの同級生に書いてもらうことが現在アラサーの当時中学生女子のステータスでした。そして、もてない男子中学生は、いきなり女子からこのプロフィール帳を渡されて、『えっ、もしかしてオレの事、好きなのかな‥』と勘違いしてしまうのです。プロフィール帳は誰も幸せにはしないのです、
次回は後編をお届けいたします。ぜひご覧ください(*'▽')
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